関心集まる大豆ミート インバウンドも後押し

東京五輪を前に「大豆ミート」への関心が強まっている。原料の大豆を加工し、食感だけでなく形状も肉に似せた大豆ミートは、これまではベジタリアン、ハラル向けだったが、ここにきて高タンパク低糖質、グルテンフリーなどの特徴を持つ“代換え肉”のダイエット食材として需要が増加している。

消費者の健康志向の一方で、訪日観光客数の増加が大豆ミートを後押ししているのも間違いない。訪日観光客数は昨年まで5年連続で過去最高を記録、今年も上半期で1千500万人を突破し6年連続で更新するのは確実とみられている。海外のベジタリアン比率はおおむね人口の10%前後とされているが「訪日客の30%はベジタリアン志向」(都内ホテル)との声もあり、2020年に向けて外食産業は対応メニューの開発を急いでいる。

大豆ミートは不二製油、かるなぁなど数社が業務ルートや特殊ルートで育てて来た市場だが、3年前にみそ最大手のマルコメが参入以降、一気に注目度が増した。関心の高さは各社の商品開発にも反映され、これまで指摘されてきた大豆臭や湯戻しの手間などを解消する商品も販売されるようになっている。

業務用では大学生協や機内食の原材料としての採用例が拡大。中食、惣菜強化に取り組む食品SMでも大豆ミートを使用したトンカツ、ミンチカツなどの販売を計画しており、大豆ミートを使った商品は多様化することになりそうだ。

かるなぁ 大豆と玄米で「リ・ブリンプラス」

かるなぁはベジタリアン、ハラル向けの自然食品メーカー。大豆ミートの草分けメーカーとして、原料は国産大豆に特化、品質、製法へのこだわりから自然食品店、食品SM、外食チェーン、大学生協など幅広い販路を持つ。

18年6月期は出来たての生大豆ミートをそのままパックする新製法で“クイックSOY”シリーズ3品(ミンチタイプ、バラ肉タイプ、フレークタイプ)を下期で発売。既存品も堅調で増収増益で着地の見込み。

大豆ミート商品のバラエティー化に向け、9月1日から大豆と玄米を原料にした「Riz Brun+(リ・ブランプラス)」シリーズを発売する。商品は「Riz Brun+ ソイミンチ」「同 ソイチャンク」「同 ソイフィレ」で、いずれも原料は大豆と玄米のみ。保存料、添加物不使用。

大豆ミートに丸ごと砕いた国産玄米粉を加え、栄養価と香ばしさをより向上させた。幅広い用途に使い分けることができる。「ソイミンチ」は挽き肉代わりに、「ソイチャンク」は鶏肉のような食感で唐揚げや酢豚などに、「ソイフィレ」は食べ応えのある食感が特徴。同社では「大豆ミートを手軽に料理に扱え、おいしく楽しんでもらえる商品開発を今後も進めていく」(余語啓一社長)としている。

エヌ・ディ・シー 大豆ミート・麺が絶好調

大豆の機能性食材・加工食品開発のエヌ・ディ・シーは大豆の加工食品の製造販売を強化している。同社は大豆を丸ごと使用し、添加物やでんぷんなどは一切使わず、独自技術により大豆100%の製品を開発。最近は糖質制限食のニーズの増加に加え、健康志向から大豆製品の注目度は高い。「近年は売上げが倍増しており、今後は豆麺チップを使った惣菜の開発に着手したい」(市川賢治社長)と新たな商品開発を進めている。

同社が製造するのは大豆100%の「大豆のお肉」「豆~麺(まーめん)」シリーズや、味つけ済みでそのまま食べられる「大豆のグラノーラ」「大豆チップス」「大豆ジャーキー」など。特に「大豆のお肉」は手羽、フィレ、スライス、ミンチなどさまざまな形状が可能。「豆~麺」も細麺、太麺、平麺、チップとさまざまで、原料も大豆、黒豆、緑豆など要望に応じて使用している。

大豆100%のため、100g当たりの食物繊維は13.3g、タンパク質は30.6gが摂取でき、でんぷん糖質は0%。製造過程で大豆の油分をカットするため、脂質は7.7gと他の大豆製品の半分以下だ。

販路は食品メーカーや外食店が中心となる。ユーザーがさまざまなレトルト食品や食事メニューにして販売しており、用途も広がっている。「タンパク質の摂取で健康的な食習慣を提案するため、大豆100%の純品を開発した。今後は需要増への対応が課題」(同)と工場増設を検討していく方針だ。