製粉協会 新会長に日清製粉社長・山田氏 2大貿易協定発効迫る

製粉協会は23日、製粉会館で定時総会を開き、新会長に山田貴夫日清製粉社長を選任した。

日欧EPA大枠合意、TPP11の大筋合意など国際貿易協定の進展や、輸入小麦のSBS制度の拡大など、製粉業界を取り巻く環境は猛スピードで変化している。

来年早々にもEPA、TPP11の発効が予定される中で、山田新会長は「製粉業界は時代の転換点を迎えている」と語り、来年早々にも発効を控える国際貿易協定への対応など、諸課題に的確に対応していく必要があるとの考えを示した。

来賓の農水省・平形雄策政策統括官付農産部長は「国際貿易協定の発効に備えた麦制度の見直しやSBS方式の運用改善、国内麦の振興など、業界と連携して諸課題に取り組んでいく」とした。

「国境措置の整合性確保を」山田新会長の話

製粉産業は国民の主要食糧である小麦の実需者として、パン・麺・菓子をはじめとする二次加工業界と連携し、生活者のニーズに応える小麦粉の安定供給を担っている。世界的な人口増加や異常気象で、小麦の需給や相場が不透明になりつつある中で、安全・安心な小麦粉を安定的に供給する製粉産業の役割はより重要になってきている。国際貿易協定の進展は、製粉業界にとって大きな転換点であり、次の3つの課題にしっかりと対応し、製粉産業、食品産業の明るい未来に貢献していく。

①国際貿易協定への対応
日欧EPA、TPP11が来年早々にも発効される見通しで、大きな変化の潮流が確実に、現実に動き始めている。製粉業界の最大の課題は、原料小麦と小麦粉製品の国境措置の整合性確保であり、万一これが損なわれると、国内市場に影響を与えるだけでなく、わが国の食品産業の衰退につながりかねない。両協定発効時には、昨年秋の総合的なTPP政策関連大綱に盛り込まれた諸施策を確実に実行することが重要である。輸入小麦の半数を占める米国はTPPから離脱しており、マークアップの対象外だが、カナダ、豪州産と同様の取り扱いを求めていく。価格不均等は混乱を招く恐れがある。

②輸入麦の売渡制度への対応
年2回の政府売渡価格の改定は、原料小麦の価格安定化に寄与しているが、小幅改定の煩雑さや時期ズレなどの課題に対する議論を深めていきたい。製粉業界の競争力強化を踏まえ、昨年秋からSBSカテゴリーⅢがスタートした。国際貿易協定の発効に伴い、今後は国別枠の導入も予想されているが、既存の枠組みと趣旨を踏まえ、慎重な対応を求めていきたい。

③国内麦の振興
生活者の国産原料への嗜好の高まりと品質向上で、国内産小麦の需要が供給量を上回る逆ミスマッチが生じている。製粉業界として引き続き、内麦の市場確保と円滑な原料麦の引き取りを進めるとともに、安定的な生産・供給が行われるように、実需者と生産者が互いに努力し、連携を図り、さまざまな課題を解決していきたい。