アイス、7月は過去最高金額 冷夏対策でクリーム系注力が裏目、希少化のカップ氷は休売も 

7月のアイス市場は6%増で着地した模様。関東では6月の末に梅雨が明け、7月は1日から猛暑が始まっていた。連日35度を超えるような日々も続き、公園ですがるような顔でアイスを食べる人もいた。以前は32度を超えると止渇飲料に消費者は向かい、アイスは売れなくなるというのが業界の定説だったが、体温ほどの酷暑になれば人は再びアイスに戻るようだ。

昨年の7月も全国的に空梅雨となり市況は8%増で着地、過去最高となる7月の売上げを記録したメーカーも多かった。今年はさらにそれを6ポイントも上回る790億円(本紙推定)という販売額となったが、一部氷系の商品で休売案内があったほかは、各社の主力商品は出荷調整もなく供給を続けることができた。

10年ほど前は、「○○しぐれ」「△△みぞれ」といったカップに入った硬い氷菓系のアイスが売場の半分近くを占めていたが、気温に左右されやすい商品で、冷夏気味の夏ともなればメーカーは翌年まで在庫を抱えざるを得なかった。このため多くのメーカーは、最需期でも通年型のクリーム系主力商品の販売に注力するようになり、ライン増設など生産能力のアップに努めてきた。

明治のエッセルバニラは7月に前年同月比25%増となったが、この1年の間に2ラインを増設したのが奏功し安定供給ができたし、森永製菓のチョコモナカジャンボも同様に14%増だったが、昨年1ラインを導入し20%ほど供給能力がアップしたため猛暑を乗り切ることができた。

逆にカップ氷に“希少価値”が出るようになってしまい、フタバ食品のサクレレモンに注文が殺到、7月の下旬には早くも休売案内を出さざるを得なかった。森永製菓のアイスボックスは一昨年から熱中症予防を謳い、ドラッグなどでの配荷を積極的に広げていたため突然の猛暑に対応できず同時期に休売案内を出している。また、1か月程度の販売量で生産計画を組んでいる最需期用の氷菓系マルチでも、終売案内を出す商品が散見されるようになっている。

供給能力を高めた主力商品は、生産面での不安は感じさせなかったが、ドライバーやトラック不足から、商品はあっても営冷に届けられず、物流を理由とする出荷調整が一部で見られた。また、在庫が十分ある物流拠点から、品薄となった拠点への横持ちができず出荷調整という場面や、庫内作業が間に合わず配送車の受け入れ制限を設けるなど、ロジスティクスの限界が見えた最需期でもあった。