〈連載 キーコーヒー〉トアルコトラジャ最前線④ 最後は人の目 厳格な手選別

早く、正確に 45分で10㎏

キーコーヒーの現地法人トアルコ・ジャヤ社が経営するパダマラン農園では、収穫されたコーヒーチェリーは脱肉・発酵・水洗・乾燥・機械選別を経て最後は人の目による手選別工程へと回される。

手選別場では最大約80人の日雇い従業員が働き、一人当たり一日平均60㎏を選別する。個人差はあるが、熟練者は45分で10㎏をこなすペースとなる。欠点豆と判断した豆をザルに入れ、出荷可能と判断した豆を机の真ん中にある穴を通じて袋の中に落とし込む。

最大約80人が働く手選別場

従業員は10㎏終了するたびに自己申告し、袋に入った選別豆を最終チェックを行う上級分析官のいるスペースに持っていく。ここで袋から選別豆をすべて出し、その中から無作為に取られた200gが上級分析官のところに運ばれてチェックを受ける。

チェックは従業員の評価につながり、またチェックが通らなければやり直しとなる。そのため上級分析官は私情をさしはさまないように、結果を待つ従業員が特定できない間仕切りの中で作業する。上級分析官は選別の達人であり、常時2人体制で回している。

チェックは減点方式で行い、BLACK、SOUR、FOXY、INSECT DAMAGE、SLIGHT INSECT、UNRIPE、BROKEN、SHELL、TRIANGL――の10項目で豆のグレードごとに減点が設定されている。

選別した豆からチェック用に無作為抽出
選別した豆からチェック用に無作為抽出

BLACKは黒豆、SOURは虫食いで変色した豆、FOXYは赤みがかった薄膜のある豆をそれぞれ意味し、この3種類は味覚に及ぼす影響が大きいため、ハイグレードクラスでこの3種類が一つでも入っているとやり直しになる。

それ以外は味覚に及ぼす影響が比較的小さい。虫害は、程度の大きいもの(INSECT DAMAGE)と些細なもの(SLIGHT INSECT)の2項目があり、UNRIPEは未成熟豆、BROKENは割れ豆、SHELLは貝のように丸みがかった豆、TRIANGLEは三角形の豆を意味し、それぞれ減点の対象となる。

合格豆は、カップテスト後、グレインプロと呼ばれる鮮度保持効果が高い特殊なビニール袋と麻袋で二重に梱包される。大半を占める輸出用は、いったんランテパオ事務所に運ばれ、ここで15℃に保たれたリーファーコンテナに積載されてマカッサル港まで陸送される。

間仕切りの中で作業する上級分析官
間仕切りの中で作業する上級分析官

このことについて、河合啓輔前社長は「グレインプロかリーファーコンテナのどちらかを採用して輸送するのが一般的だが、当社は両方を採用して品質維持を徹底している」と胸を張る。

石井亮社長も「以前はマカッサルで最終選別してコンテナを作り直していたが、今はより鮮度を求めてトラジャでコンテナを作り直接横浜まで輸出している」と語る。(つづく)