サントリー食品 中期の構造改革に着手 水・お茶・コーヒー、生産設備増強

サントリー食品インターナショナルは「クラフトボス」と「GREEN DA・KA・RAやさしい麦茶」の近年の急激な伸びを受けて大規模な設備投資を計画。水・お茶・コーヒーの3カテゴリーに重きを置いたポートフォリオの変革とともにサプライチェーンの構造改革に着手し中期的なスパンで日本事業の販売拡大と利益改善を図る。

上期(12月期)の日本事業は、利益商材であるショート缶コーヒーが減少したことと近年の利益創出の源泉となっているトクホの「伊右衛門 特茶」が踊り場を迎えたことが利益面の痛手となった。加えて「クラフトボス」と「やさしい麦茶」の急激な伸びにサプライチェーンが対応し切れずコストが増加。コスト増は、具体的には最盛期に向けて商品備蓄を進めたことや、委託製造費増と、それに伴う横持ち運送(拠点間の輸送)の増加が要因となった。

6日、都内で決算発表した小郷三朗社長(写真)は「(日本、欧州、アジア、オセアニア、米州の)各リージョンで転換期を同時に迎える中、ここ3年を構造改革期ととらえ、短期的な目線で保守的な対応を取るのではなく、世界的に進行する変化を絶好のチャンスととらえスピードをさらに上げ構造改革を進めていく」と語った。

日本市場では、水・お茶・コーヒーの品質維持に欠かせない無菌充填PETボトル製造ラインを増設しサプライチェーンを強化していく。「無菌充填のサプライチェーンを段階的に増やす準備をしていたが、『クラフトボス』と『やさしい麦茶』がわれわれの想定以上に急激に増加し、それに対応していかなければならない」という。

この考えの下、宇治川工場(京都府城陽市)に無菌充填ラインを1ライン新設して来年8月の稼働を目指すほか、榛名工場(群馬県渋川市)にも新無菌充填ラインを20年に1ライン目、21年に2ライン目を稼働させる計画となっている。

「売れるものが変われば流通チャネルや飲み場や買い場も変わっていく。これらをスパイラルアップ(好循環)する構造改革に取り組む。(第二の)『特茶』になり得るような新しい健康付加価値の新商品の開発も当然必要で、そういう意味で少し中期的な視点で改革を積み重ね、それらがつながった時に大きな成果を見込む」。

自販機は、パーマシン(1台当たりの売上げ)の拡大とコスト低減が見込めるロケーションを開拓。具体的には、インドアロケーションを中心に自販機を含めた総合飲料サービスを提案して新規開拓を進めていく。

総合飲料サービスは「缶・PET自販機だけでなくカップ自販機やコーヒーマシンといったフルラインアップの機材と他社商品もジャパンビバレッジ社を通じて提供するフルラインの商品でニーズに応えていく」。

これを発展させたのが、宅配弁当を購入できる新サービス「宅弁」や健康経営の流れに沿った自販機の活用となり、今後は喫煙室に代わるコミュニケーションの場の提案も視野に入れる。「社員のインフォーマルなコミュニケーションの場を設けて生産性を上げるのもソリューションの一つ。総合提案をしていかないと競争には勝てない」との見方を示した。

商品全般については、多様化ニーズを受け多品種大量生産の構え。「ニーズが多様化しているので、その多様化に対応していくのが飲料ビジネスの要諦。多品種大量生産できないと、このビジネスでは勝てない。効率は悪くなるが、多様化ニーズに応えていくことが上位メーカーの務め」と説明した。

なお上期業績は、売上収益が3.9%増の6千139億円、営業利益が3.5%増の564億円の増収増益を達成。この中で日本事業は売上収益が2%増の3千338億円、セグメント利益が23.7%減の189億円となった。