〈連載 キーコーヒー〉トアルコトラジャ最前線③ 良質な水源活用し精選 選別工程重ね品質追求

キーコーヒーの現地法人トアルコ・ジャヤ社が経営するパダマラン農園は、標高1千m級の山々と豊かな自然に囲まれ、そのまま飲用できる良質な水源を持つ。水源は近隣にある村々の生活水でもあり、ここから濾過槽を経たものがパイプを通じて各村々に送られる。

収穫されたコーヒーチェリーは、まずパルパーと呼ばれる機械で果肉が取り除かれる。その後、脱肉後のパーチメント(内果皮)に付着するミューシレージ(粘液質)を除去していく。ミューシレージは大型のパルパーマシンを用いることで大部分が剥がされる。さらに、大部分のミューシレージが剥がされたパーチメントを発酵槽に保管することで分離を促進し、ミューシレージを徹底的に剥がしていく。

この工程を経てパーチメントは、水路・乾燥場へと移される。水源を活用した水路では、浮遊する軽い未成熟豆を不純物とともに上澄み液として先に流して洗い落としていく。その後、乾燥場には選別されたパーチメントのみが送り込まれる。

乾燥はまず天日乾燥場で行われ、ここである程度水分含有量を落としてから乾燥機に入れて、最終的に含水率を10.5%にしていく。その際、乾燥むらによる品質劣化を避けるべく、急加熱ではなくゆっくりと時間をかけて乾燥させる。

天日で乾燥(左)した後にドラム式乾燥機へ
天日で乾燥(左)した後にドラム式乾燥機へ

乾燥機は循環農法を視野に入れ、従来の灯油を燃料とするものからパーチメント・ハスク(かす)を燃やして乾燥させるドラム式への移行を推進している。

吉原聡生産担当取締役は「16年からドラム式を年1台ずつ購入して現在は計3台ある。灯油式に比べ多くの量を乾燥できる上、環境に配慮した設計でランニングコストの削減にもつながるため今後増やしていく」と言う。

乾燥後のパーチメントは、30kgずつビニール袋と麻袋(またい)で二重に梱包され、含水率を維持しながら倉庫でロットごとに一時保管される。倉庫には集買所で調達したパーチメントも同農園のものと分けられて一時保管される。ロットは収穫日ごとに管理されている。

含水率は世界基準内の数値で、ロットの中からランダムに行われる計10回の測定の平均が10.5%になって初めて10.5%とみなされる。生豆の受注が入った段階で酸味や香りなど顧客の好みに合わせて各ロットのパーチメントが混ぜ合わされて、次の工程に進む。

ふるいでサイズ選別(左)した後に重さでも選別
ふるいでサイズ選別(左)した後に重さでも選別

混ぜ合わされたパーチメントは、脱殻するマシンを経てパーチメント・ハスクが取り除かれて生豆となり、生豆はスクリーン(ふるい)にかけられてさらに選別される。スクリーン選別は最大3回行い、輸出用、国内消費用などに格付けされる。希少性のあるピーベリーも高付加価値豆として選別される左下の方向。

サイズの次は重さで選別。斜めに傾いたふるいのマシンを使い中身がスカスカの豆を判別する。下から空気を吹き付けてふるいを揺らすことで、軽い豆は下方に、重たい豆は上方に移動し峻別される。

これまでの工程で選び抜かれた生豆は最後、人の目による手選別とカップテストを経て出荷される。(つづく)