食品製配販7社 物流合理化へ連携 リードタイム是正など協議

味の素、三菱食品、マルエツなど食品製配販7社は受発注から納品までの物流リードタイムの見直しに取り組む。納品前日発注を基本とする現行リードタイムの緩和・延長によって可能になる物流改善策を整理するとともに、荷待ち・荷卸し等の業務負荷削減効果を実証し、人手不足を乗り切る持続可能な物流体制の構築につなげる。

商慣行、過剰サービスにメス

活動には前出3社のほか、キユーピー、加藤産業、カスミ、シジシージャパンが参加。7社は今年4月に日本ロジスティクスシステム協会(以下JILS)を事務局とする全体最適推進組織「持続可能な加工食品物流検討会」を設立。経済産業省と国土交通省をオブザーバーに迎え、定期的な協議を始めている。

その最大の特徴は物流業務負荷の増大につながる既存商慣行の見直しや「生産性と品質のバランス」を活動テーマに掲げていることだ。ドライバーや庫内作業員の不足が深刻化する中、食品業界では昨年からメーカー共同物流等の合理化が加速しているが、物流の生産性を業界レベルで高めるには、鮮度訴求や欠品・在庫削減を目的に行われてきた短納期発注や小口多頻度納品など、商慣行の見直しが不可欠との見方もあり、早急な議論が待たれていた。

検討会は4月以降の協議の中でこの問題を整理。このほどリードタイムの見直しに焦点を絞り込む方針を固めた。今後はリードタイムの延長によって製配販各層に生じる課題を洗い出すとともに、延長で可能になる具体的かつ3層が納得できる生産性向上策を定めていく。参加企業による実証実験や成果の公表なども視野に入れる。

検討会メンバーのキユーピーと加藤産業は13年からリードタイムの緩和(受注翌日納品↓受注翌々日納品)を条件に検品レス化を推進。緩和によって生じた時間を生かし、納品時検品に必要な商品情報(ASN)をキユーピー側で事前に作成・送信することで、現物検品を廃止し、荷待ち・荷卸し業務の削減につなげるものだ。キユーピーは今年5月から同様の取り組みを三菱食品とも始めている。

JILSは16年度に経産省補助事業として行った消費財物流調査(「荷主連携による共同輸配送の環境整備等に関する調査研究」)で検品レス化による高い生産性向上効果を立証済み。今後のリードタイムに関する議論の中でも、緩和効果を引き出す有効な打ち手としてメーカー・卸間の検品レス化にスポットが当たりそうだ。

なお、卸―小売間では既に検品レスが定着しているが、リードタイムの緩和によって店舗でも入荷業務の平準化などが進む可能性がある。検討会はこうした小売側の生産性向上効果も明らかにしていく考えだ。