即席麺 タテ型の熱い夏 若年層開拓に全力

2017年度の即席麺カテゴリーは、総生産量(前年比0.3%増)、総生産額(0.7%増)とも3年連続で過去最高を更新した。特にカップ麺は話題商品が続々登場。デジタルマーケティングを含めた若年層(10~20代)の開拓に向けた取り組みが進んだこともあり、間口と奥行が拡大し、市場拡大につながった形だ。こうした流れを受けた今期も、引き続き若年層の開拓に向け、タテ型を中心とする取り組みが活発化している。

「カップ麺の容器形態別食数構成比を見ると、タテ型が3割弱となっており、カップ麺市場の中でもっとも高い割合を占めている。タテ型は消費者にもっとも馴染み深いカテゴリー。一方、年代別のカップ麺購入状況を清涼飲料と比較すると、清涼飲料と比べ若い世代(10~20代)の購入率が低い。言い換えれば、この世代に特に伸びしろがあるということになる」(業界関係者)というように、簡便性を武器に支持を伸ばすカップ麺の中でも、いまだ伸びしろを持つタテ型カップ麺による若年層の開拓。各社がタテ型に注力する理由がそこにある。

カップ麺の主力であるタテ型カップ麺は、長らく「カップヌードル」ブランド(日清食品)の牙城とされてきたが、昨年、東洋水産が新ブランド「MARUCHAN QTTA」を投入。10代を中心とする若年層をターゲットとするプロモーションを展開するなどし一定のシェアを確保した。今夏はサンヨー食品が、女性の支持も高い人気アイドルユニット乃木坂46のメンバーを起用したキャンペーン「乃木坂46×カップスター・和ラー 日本中を、もりあげろ!」(関連記事参照)を19日からスタートさせ、若年層、女性層の取り込みに乗り出すなど、若年層をめぐる動きが活発化してきた。

タテ型の主役「カップヌードル」はここ数年、10~20代をターゲットとする斬新なTVCMやデジタルマーケティングを展開している。

特に国民的人気アニメを題材に“青春”を描いた「カップヌードル」のTVCM「HUNGRY DAYS~アオハルかよ。」シリーズは前期、大好評だった。

「『カップヌードル』のTVCMの中で過去最大の反響があり、課題としていた高校生、大学生の喫食率も前年比2ケタ近い伸びとなった。メッセージがしっかりと若い人に届き、食べてくれているものと考えている」(同社)と、若年層の開拓に手応えを示すとともに、ブランドコミュニケーションでは今後、若年層に人気の「eSports」の活用にも力を入れていく考えだ。

若年層をメーンターゲットに開発した「MARUCHAN QTTA」。昨年3月の発売に当たり初年度の目標として掲げた売上高140億円(小売ベース)、タテ型カップ麺でのシェア10%には届かなかったものの、ブランド認知率は昨年10月の段階で80・9%まで上昇。出荷実績も昨年下期に実施した麺増量やLINEキャンペーンなどが寄与し右肩上がりで推移している。

「17年度は認知度、好感度を上げていくこと、商品の理解促進に重点を置き、若い世代に寄り沿ったブランドとしてさまざまなコミュニケーションを展開してきた」(同社)というが、狙い通り認知率が上昇してきているだけに、今期は期待大。

そうした状況下、タテ型のロングセラーブランド「カップスター」と新ブランド「和ラー」を擁するサンヨー食品が動きを見せた。それが「乃木坂46×カップスター・和ラー 日本中を、もりあげろ!」キャンペーン。「カップスター」と「サッポロ一番 和ラー」を乃木坂46公式カップ麺に認定、コラボキャンペーンを展開することで、若年男性層に加え、女性層への浸透も図る狙いだ。

究極の簡便商品であるタテ型カップ麺。狙い通り、若年層、女性層の支持を得て、カップ麺市場拡大の原動力となるか。本番と位置付ける秋冬商戦を睨んだ各社の取り組みが注目される。