コーヒー飲料 小型PETで構造激変 ボトル缶は中身に開拓余地

飲料各社が今年、500㎖サイズの小型ペットボトル入りコーヒー(小型PETコーヒー)の新商品を相次いで投入したことで、一昨年頃までコーヒー飲料市場の成長を牽引してきたボトル缶が大きく減少しコーヒー飲料の市場構造が大きく変わりつつある。近年の環境配慮要請の高まりを受けて、さらなる容器変遷も予想される。

小型PETコーヒーのトップは「クラフトボス」(サントリー食品インターナショナル)。昨年4月から今年4月までの発売1年で1千500万mlを突破し、今年だけでみても既に500万ケースを突破。6月から3品目となる「ブラウン」を加えて拡大を続けている。

これを猛追するのが2番手に浮上した「ジョージア ジャパン クラフトマン」(コカ・コーラシステム)。4月にコンビニ先行発売し5月からスーパーへと販路を拡大。特に「カフェラテ」が勢いづいている。

味の素AGF社が6月に新発売した「〈ブレンディ タグゴー〉ボトルコーヒー」も好発進。味わいが支持されるとともに「カフェオレ」「ブラック」それぞれでイラストが異なる4種類をラインアップしたところ女性層の選ぶ楽しさにつながっているという。

アサヒ飲料の「ワンダTEA COFFEE」も従来の缶コーヒーでは取り切れなかった女性層や若年層を獲得している。

一方、本格コーヒーの味わいで狙い通り20~30代男性を獲得しているのはUCC上島珈琲の「UCC BLACK COLD BREW」。ターゲットがいるところでの配荷を拡大していく。

伊藤園は小型PETコーヒーにも挑みつつ、引き続きボトル缶に軸足を置く。市場でボトル缶から小型PETへのシフトが加速する中、手売り業態シェアトップの「タリーズ」の390mlボトル缶が前年を維持しボトル缶コーヒーカテゴリーの中でシェアを高めている。

今年、国内のアルミボトル缶の製造を開始した東洋製罐グループホールディングスは「今後は多品種・小ロットに向けたバリエーションを考える必要がある。それぞれの容器に特徴があり、例えば瓶は酸素透過がなく、缶は光を通さないといった特徴があるので、さまざまな内容物に適するようなボトル缶はまだまだ広がる可能性がある」(大塚一男社長)とみている。

大型PETコーヒー(ボトルコーヒー)は、小型PETコーヒーの影響を受けて成長が鈍化したものの引き続き拡大傾向にある。4割強のシェアを握る首位のネスカフェボトルコーヒーは独自開発のサーバーを使ったアイスクレマの提案が奏功し上昇基調にあり、2番手の「職人の珈琲」(UCC上島珈琲)も前年を維持している。

味の素AGF社は「ブレンディ」ボトルコーヒー発売30周年を記念して10月1日に復刻ボトルを発売する。全国で「無糖」「微糖」「低糖」の3品、大阪エリアのみ「オリジナル」を加えた4品を発売するとともに消費者キャンペーンを展開する。

落ち込みが年々加速する飲み切りタイプのショート缶は、コーヒー飲料市場の中で依然として大きなボリュームを占めていることから引き続き手が打たれる見通し。自販機専用商品やキャンペーンを展開し落ち幅を抑える戦略が主になりそうだ。