伊藤園「お~いお茶」新俳句大賞 応募が過去最多 日本一の創作俳句コンテストに

伊藤園は昨年11月から今年2月末まで「第29回伊藤園お~いお茶新俳句大賞」を募集し、入賞作品2千句を決定。過去最多応募となった約195万4千句(応募人数約50万人)の中から大阪市の田島もりさん(83歳)の作品「獅子舞の口へ太平洋の風」が文部科学大臣賞に選ばれた。

新俳句大賞は1989年(平成元年)に「お~いお茶」の発売とともにスタート。季語や五・七・五の定型などにとらわれず自由な感性で詠むのが特徴で、入賞作品は商品パッケージに掲載されるなど、日本一の創作俳句コンテストとなっている。

29回目を迎えた今回は、俳人の安西篤氏、黒田杏子氏、星野恒彦氏、写真家の浅井愼平氏、作家・クリエイターのいとうせいこう氏、作家の宮部みゆき氏、日本語学者の金田一秀穂氏、ギタリストの村治佳織氏、女優の吉行和子氏、日本古典文学研究者のエイドリアン・ピニングトン氏など、俳句の第一人者に加え写真や演劇、文学など各界の第一人者10人が最終審査を行い、入賞作品の中から文部科学大臣賞1句、6部門(小学生の部、中学生の部、高校生の部、一般の部A、一般の部B、英語俳句の部)の大賞6句、優秀賞44句、審査員賞10句、後援団体賞11句、都道府県賞240句、佳作特別賞1千688句を選んだ。

特に今回は英語の句が増え、中国や台湾など海外大学の日本語学科の人からの作品も多く、日本文化に対して海外からの関心が高まっていることを示した。

伊藤園は5日、帝国ホテルで表彰式を開催。これに先立ち本庄大介社長は「第1回は4万句の応募だったが、今回は約195万句、50万人からの応募があり、海外からも2万句を超えるなど過去最高となった。『お~いお茶』は来年2月に発売30周年を迎えるが、新俳句大賞も30回目を迎え、同じ歩みをたどってきた。第1回目の『お~いお茶』の年間販売量は約40万ケースだったが、昨年は8千700万ケース、約20億本に育ち、『お~いお茶』は新俳句大賞と共に歩んできた」とあいさつした。

文部科学大臣賞に選ばれた大阪市の田島もりさんの作品は、三重県志摩の安乗(あのり)神社のしめ切り神事の獅子舞がユーモラスに口を開けていて、そこに太平洋から吹いた風が流れ込み、胴ぶるいする情景を詠んだ俳句で、伊佐敷真孝・文部科学省生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室長から賞状、本庄社長から副賞として賞金50万円と色紙が贈られた。

審査員の安西氏は「獅子が太平洋の風で鋭気を養い、壮大な風景や地球規模のエネルギーの力強さを感じ、大臣賞にふさわしいスケール感のある句だ」と寸評。田島さんは「長年俳句をやってきた結果、土地の神様が大賞を贈ってくれたのだと思う。夫婦で旅をしながら楽しい晩年を過ごしていきたい」と語った。

「金子兜太賞」新設 故人の遺志引き継ぎ

会場には金子兜太氏の遺影も(第29回伊藤園お~いお茶新俳句大賞)

新俳句大賞の創設段階から携わり、第1回から審査員を務めてきた金子兜太氏が去る2月20日に永眠した。98歳。表彰式に先立ち黙とうが行われた。

本庄社長はあいさつの中で「金子先生は著書の中で自由な俳句人と言われたいと話していたが、故人はまさに自由な俳句人そのもので、既成概念にとらわれない俳句により多くのファンを生み、俳句界に最大限の貢献をされ、日本の文芸界でも貢献された」と語り故人を偲んだ。そこで同社では、今年11月からスタートする記念すべき第30回から、金子氏の遺志を引き継ぐ賞として「金子兜太賞」を新設することを決め、表彰式で報告した。