炊き込みごはんの素 炊飯器調理の簡便性PR 若者需要掘り起こしへ

炊き込みごはんの素(釜めしの素)が若年世帯を意識した商品や販促を強化している。従来、ユーザーは子育て世代(中高生の子供)から“釜めし”が好きな高齢層など幅広いが、少子高齢化で世帯人数が減少するなど市場縮小の懸念が強い。その中で20代からの若年世帯に炊き込みごはんは“簡便料理”であることをPRして需要を掘り起こしたい考えだ。

そもそも炊き込みごはんの素は大量調理が特徴で、学校給食、事業給食で活躍している。家庭用になると標準世帯(4人家族)が主流だった頃は良かったが、既に崩壊して単身世帯と2人世帯の時代に移りつつある。伴って炊飯器も小型化し、ついには1合用も発売される世の中になった。

商品も主流の「お米3合。3~4人前」以外に、2014年に丸美屋食品は「2合用」を発売。現在は「だしのこだわりシリーズ」として継続展開している。今秋からも新アイテム「だしのこだわり〈生姜香る五目釜めしの素〉」も追加する。ただ、これは若年対策ではなく主に高齢2人世帯を想定した商品だ。こだわりの“だし”や塩分25%カットなど、王道のシニア対策を詰め込んでいる。

若年対策は“簡便調理”“時短料理”としての認知度向上だ。若年夫婦は共働きも多いため、とにかく早く簡単においしくできることが重要。炊き込みごはんはコメと具材、調味料を入れて炊き上げるだけであり、出来上がり時間の調整も可能である。

その中、丸美屋食品は今年8月から「鶏めしの素」を発売する。甘辛醤油味で子供も喜ぶ仕上げで同社お得意の“釜めし”表現ではなく“鶏めし”というやや軽いイメージだ。また、ツイッターで釜めし漫画を投稿してSNSで話題を高めたりしている。ヤマモリは「30~40代主婦層は多くが働いており調理時間を短縮したい」として若年対策も含めて販売を強化する姿勢だ。

こうした若年対策は味の素の「Cook Do おかずごはん」(2016年春全国展開)も刺激を与えたと思われる。同商品は炊飯時に具材(鶏肉など)も入れて、味付けごはんとおかずが一気に完成するコンセプト。メニューは「鶏パエリア」「アジアン鶏飯(チキンライス)」などエスニック系だが、炊飯器の可能性に挑戦した意欲的な商品だ。

炊き込みごはんの素は炊飯器調理という失敗が許されない特性から、無難なメニュー(とり、五目、山菜)とヘビーユーザーによって40年以上支えられてきた。今後は炊飯器の可能性を最大限引き出すメニューとして若い世代へ魅力を伝えていくことになるだろう。