「稲盛経営」 今こそ実践を

本でも音楽でも、すぐに身に染みるのに、なかなか理解が進まないものがある。久しぶりに稲盛和夫氏の「アメーバ経営」「実学」を読んだ。これもそうだ。心地よいが実に難しい。

▼難しいのは、究極的には管理会計技術なのに、会計システムに経営哲学が表象されているからだ。だが業界にも稲盛ファンは多い。私が尊敬するある経営者は常に携行して読み返し、その回数を背表紙に記録している。覗き込んだら百を超えていた。製造業に身を置く方にとっては、ある種身につまされる思いで読むことができるのだろう。

▼経営者向けの名著とされる「The Fifth Discipline」のマンガ本を書店で見つけた。かの本が問う「学習する組織とは何か」に対する答えは稲盛氏がもう出している。

▼稲盛経営と云うと「誰もが経営者意識を持てない」なんてネガティブな反論もあるが、健康は自身で守るセルフメディケーションの時代。自分の仕事の質も経営者感覚で高めていくのが正しいのではないか。実践には途方もない努力が必要だが、“高めたい”人、企業にとっては必須の経営スタイルと再認識した。