味の素AGF スティックに全力投球 新技術で品質向上 生産能力も増強

味の素AGF社はスティック事業を最大化させることに注力し、今期(19年3月期)は増収増益を目指す。同社の独自技術と親会社である味の素の技術を融合し、品質強化した新商品を秋口に続々と投入していくほか、9月に業界初の新技術を導入した新ラインを稼働させ、生産能力の増強を図っていく。

通販を除くスティック市場は300億円強と推定され、この中で同社シェアは約6割。今後はさらなる市場拡大を図り、5年かけてスティック事業を倍増させる。

この目標について、5日都内で事業方針発表した品田英明社長は「毎年15%ずつ伸ばさないと到達できない数字だが、予想外に伸びるという野望や夢を含めて「5年後に2倍」という指針を出し、全社でその第一歩を始めた」と語った。

スティックで狙うのは、市場規模700億円弱のインスタントコーヒー市場に紅茶、ココア、日本茶・抹茶市場を加えた計1千100億円の周辺市場にとどまらず、「さまざまな飲料と食からスティックは伸びると思っている」。

スティックの新商品は7月初旬をめどに発表される。その方向性は家庭用・業務用(家庭外)問わず、さまざまなシーンに合ったものとなり、ブランドは「ブレンディⓇ」だけでなく「マキシムⓇ」のブラックコーヒーでも、品質向上とバラエティー強化を図っていく。

家庭外市場のアプローチについては、前期に大幅な2ケタ増で伸長した業務用ブランド「AGFⓇプロフェッショナル」を引き続き強化していくとともに、「ブレンディ」スティックで家庭外への持ち運びの促進と家庭外での露出に取り組む。

品質面ではまず、旗艦アイテムの「ブレンディ」スティックカフェオレを刷新。「当社独自技術に加えて味の素との技術の融合で、やっとカフェオレにマッチする素晴らしい技術が完成し、他社にはないカフェオレの品質強化を図ることができた」と自信をのぞかせる。その他のアイテムについても「感動品質の案内が立て続けにできる」という。

石川裕副社長(味の素AGF)
石川裕副社長(味の素AGF)

中長期の安定供給を見据え先行投資にも着手。約17億円を投じ西の生産拠点であるAGF鈴鹿に革新的な最新技術を取り入れた新ラインを増設し、9月の稼働を予定している。新ラインの特徴については「生産能力を向上させただけでなく、リニア搬送技術と型替え作業を大幅に削減した包装技術を導入し、省人化を図り働き方改革にもつながる。IoT情報技術も加味し、将来は包装自動搬送システムの導入も予定している」と説明した。

前期は市場が調整局面に入ったことと競合の価格攻勢によって、売上げ・利益ともに足踏みした中、スティックが前年を上回り業務用は2ケタ増となった。競合の価格攻勢が続くとの見通しの下、秋冬に向けては「価値を知ってもらう最大のチャンスは飲んでもらうことにある」との考えから、100万人試飲キャンペーンを展開していく。これに加えて「即効性として、ある程度弾力的な価格戦略を取っていく」。

レギュラーコーヒーについては「AGFⓇ『煎』を含めて再構築策を現在練っている」。新領域開発部の領域であるECや通年ギフトについては「ECでは家庭用商品を売っていたのを見直し、この半年くらいかけてEC専用商品の開発に着手し、だいぶ整理ができている。越境ECも手掛け、今後拡大させていく。ご当地ギフトはさらなる拡大を目指し、商品全体と販売ルートを見直している」(石川裕取締役副社長執行役員)。