菓子大手 チョコ好調が全体押上げ 国内菓子は増益基調保つ ポテチショックは痛手

菓子大手メーカーの決算が出揃った。昨年度はポテチショックなどもあったが、チョコレートは原料価格が落ち着きハイカカオ系が伸長するなど売上げ・利益に貢献し、全体的には好調または堅調に推移したと振り返ることができる。一方で、物流費や包装資材費、人件費などコストは増大傾向にあり、なおかつ今年に入ってからの菓子全体の動きがあまり芳しくない。ここ数年はデフレからの脱却傾向が見えていたが、平成30年度は市場環境の追い風が乏しい中で企業個々の底力が試される正念場の1年となりそうだ。

明治ホールディングス連結決算のうち、29年度の菓子セグメント(旧区分)は1千579億円(1.5%減)、営業利益197億円(7.0%増)の減収増益だった。「ザ・チョコレート」や「チョコレート効果」、グミなどが伸長したが、カールの販売エリア縮小などから売上げは減少、利益はカカオ豆等の原材料コスト低減効果や販促費、物流費の削減により増益を保った。

2018年度の菓子事業(新区分)は1千330億円(1.9%減、25億円マイナス)、営業利益230億円の17.0%増、33億円プラスを目指す。チョコレートは、健康・プレミアムを軸に29年度1千40億円を30年度1千59億円とする計画。32年度の中長期目標は菓子事業の売上高1千480億円(124億円プラス)、営業利益241億円(44億円プラス)を定めた。

ロッテは非上場だが、昨年度の菓子事業は4%増で着地した。ガム市場は厳しいものの、「記憶力を維持するガム」など機能性商品もあり前年比1%減と健闘。そこへガーナ新製品やシャルロッテなどもオンしチョコ108%弱の増加、チョコパイ個食タイプの好調などでビスケット7%増とチョコ・ビスで牽引した。

江崎グリコの29年度の菓子事業は売上高1千249億円(3.2%増)と前年同期比38億円の増収となったが計画比は4.3%減。うち国内菓子は788億円(1.6%増)と13億円プラスに漕ぎ着けた。営業利益は菓子全体が99億円(6.5%減)だったが、国内菓子だけ見れば73億円(8.7%増)と前年超えは昨年と同様の傾向である。

カテゴリー別にはチョコが、ポッキー含めて191億円と対前年プラス12億円となり通期473億円(2.3%増)と牽引車となった。ビスケットはプリッツ含め276億円(1.5%増)と市場が厳しい中でも健闘した。19年3月期計画は菓子の売上高804億円、営業利益69億円と増収減益を予定する。

森永製菓は、菓子食品部門が売上高1千233億9百万円(0.1%減)、営業利益81億3千6百万円(7.0%増)と微減収増益となった。チョコレートは、チョコボールが発売50周年で拡販したが、チョコ全体は286億円(2.0%減)、スナックはポテトショックで157億円、6%増となった。キャラメル・キャンディは287億円(2%増)。ビスケット226億円(1%減)とカテゴリーにより明暗を分けた。

不二家は29年12月期菓子事業が売上げ686億3千9百万円(2.8%増)となり、利益面もルック4などチョコや徳用大袋が好調に推移し収益性アップに貢献した。第1四半期(1~3月)の菓子事業でも売上高165億4千8百万円(5.2%増)と好調を維持している。利益面では主力生産ラインが稼働率アップし、生産設備更新もあり収益性向上につながった。

ブルボンは、菓子売上高が1千67億6千3百万円(同2.6%増)となった。主力のビスケット、キャンデー、チョコレート米菓などの品目が伸長し、菓子全体を押し上げた。

一方、スナック大手は原料情勢に翻弄された。菓子最大手のカルビーは連結売上高2千515億7千5百万円(0.3%減)、営業利益268億2千8百万円(7.0%減)、経常利益261億7千9百万円(8.5%減)と減益を強いられた。国内に対し海外が好調だったが、台風被害による馬鈴薯調達不足から立ち直りに時間がかかった。

以上のように、ポテチショックなどのイレギュラーな天候要因を除けば、大手菓子メーカーの国内菓子事業は各社ともおおむね増益基調を保っており、ここ数年取り組んできた付加価値化や規格変更が実を結んでいる格好である。ただし、菓子全体的に今年度に入ってからの動向は精彩を欠いており、30年度は厳しい業績が予想される。