深刻化するビッグサイト問題 日展協「2~3兆円の損失」訴え

日本展示会協会(日展協)は深刻化が予想される“ビッグサイト問題”について意見交換などを行うため、5月29日に東京ビッグサイトで拡大総会を開いた。関心の高さを反映してか会員、報道関係者など予想を上回る人数が訪れた。日展協は東京都にも出席・説明を求めたが、都側は辞退したという。

“ビッグサイト問題”とは、20年東京五輪のプレスセンターが東京ビッグサイトに置かれるため、前後工事期間を含めた20か月間が使用不可となり展示会等が開けなくなる問題のこと。「経済損失は莫大であり、本当の被害者は都民・国民だ」(石積忠夫会長)と指摘する。

20か月平均で展示面積が35%となることから多くが中止に追い込まれるとみる。都は仮設館の建設などを打ち出しているが、立地条件や設備などの問題から十分な展示会は開けないといわれる。

最大規模の東展示場は来年4月から閉鎖、南展示棟は7月から使用可のため、既に始まっている来年4月からの予約に影響が出始めているという。

日展協は単純計算で出展社売上げ2兆2千億円強が失われると算出するが、出席者からは「実際には3兆円以上の損失となり、多くの中小企業が倒産する」との声が上がった。また会員企業の1社は、海外の展示会にシフトせざるを得ないと嘆いた。

石積会長は「20年前の展示会は単なるお祭りだったが今は重要なビジネスの場であり、中小企業にとっては死活問題。都などは20年前の状況が頭に残っているのでは」と指摘する。吉田守克副会長も「事の本質は行政の無知と慢性的な展示会場不足」と話す。

日展協は、なお抜本的な解決を探るとしながらも、五輪成功と中小企業の存立を両立させるために次善の策も検討するとした。

当日発言のあった内容は匿名化の上で都に提出。またホームページでは署名などを呼びかけている。