精糖工業会 樋口洋一新会長「健全な糖調法運営と消費量200万t回復を」

精糖工業会は5月28日、定時総会を開催し飯田雅明会長の任期満了にともない樋口洋一副会長を新会長に選任した。また、新たに三井製糖の雑賀大介社長と大日本明治製糖の顧問(6月に社長)の佐藤裕氏が副会長に就任。樋口新会長は同日に記者会見し方針を述べた。

――新会長の方針について。

樋口 これまでの路線をしっかり継承し良い方向に引っ張っていくつもりでいる。特に飯田前会長の時代に取り組まれたことが2つあって、1つは糖価調整法(国産糖の保護財源負担制度)の維持と健全な運営である。外国と自由化交渉をするたびに糖調法の存続が議論になってきた。しかし、TPPも日EUとのEPA交渉についても結局、糖調法は維持・存続することができた。ただ、健全な運営という意味では、加糖調製品(砂糖含有の2次原料など)の問題は脅威である。例えば日EUのEPA交渉でヨーロッパ産の菓子や加糖調製品が量は少ないが輸入されることになると、国内の砂糖産業にとっては向かい風だ。

しかし、もうすぐ発効予定のTPP関連法案によって加糖調製品から調整金を徴取するという仕組みになる。糖価調整法の健全な運営とは、すなわち加糖調製品や他の甘味料から調整金(国産糖の保護財源)を徴取するということを意味する。他の甘味料との税制による価格差を是正することが古くて新しいテーマであり、ほかにもハイポールシュガーのコストダウン効果などを検証していかなくてはならない。砂糖の価格が少し下がったぐらいで消費量が右肩上がりに転じることは難しいが、長年にわたり訴えてきた加糖調製品の問題はいよいよ始まったという気がしている。成果云々を議論する段階ではない。

また、健全な運営という意味ではビートの問題もある。現行64万tの上限枠も今回は交渉を重ねて「変更なし」となった。今後は加糖調製品の調整金収入でビート生産のコスト削減や販売比率の問題に充てようという話もある。関係団体が負担と貢献のバランスを引き続き議論していくことになる。ほかにも調製金の収支問題など、すべてについて最適な判断をしていかなければならない。

もう一つのテーマは砂糖の消費拡大であり、これは飯田前会長の時代に「砂糖と健康」研究支援プロジェクトを立ち上げて進んでいる。従来の受け身の啓発活動ではなく、砂糖の正しい知識を普及させるために精糖工業会として定見を発信し、ネガティブ情報も検証していく。ある意味、組合活動で一番重要じゃないかと思っている。最近の砂糖に対する批判的な情報に対して反論するだけでなく、精糖工業会の考えを伝える姿勢は重要だ。

また、4月から「シュガーチャージ推進協議会」が発足し、7月にオープニングイベントを行う予定だ。砂糖関係8団体が協力して砂糖の良さを伝えていく重要なもの。ブドウ糖は脳の唯一のエネルギーであり、人間にとってはなくてはならない栄養素だ。砂糖は筋肉のベストパートナーと呼ばれ、アスリートやスポーツをする人にとってはより健康な体を作ってくれる。砂糖はわれわれの生活に“チャージ(補給・充電の意)”する存在であることをクローズアップしていく。

「砂糖のネガティブイメージ払しょくを」

――消費量の目標について。

樋口 砂糖はこの10年間で11%弱、22万tほど減っている。人口が減っているにもかかわらず総甘味料需要は330万~340万t台で変化はない。そのうち、190万tが砂糖で異性化糖が80万t強、加糖調製品が40万t、高甘味度人工甘味料がステビアを含めて30万tぐらい。

砂糖が減った分、人工甘味料と加糖調製品が増えてきた。砂糖の消費量回復は価格差の是正が行われればある程度の回復は可能だと思っているし、そういう意味で糖調法の健全な運営に取り組む。また、砂糖に対する間違った情報やネガティブイメージの払しょくを業界一丸になって行い、200万tの回復を目指していく。十分に可能な目標だと思っている。