5月30日は「アーモンドミルクの日」日本上陸から5年、参入相次ぎ賑わう市場

アーモンドが実り始める季節。5月30日は「アーモンドミルクの日」だ。実(3)が丸くなる、大きくなる(0)との意味を込め、メーカー7社が協賛するアーモンドミルク研究会が制定、日本記念日協会に認定されている。

アーモンドミルクは、アーモンドをすりつぶして水を加えた飲料。牛乳や豆乳に続く“第三のミルク”として、すでに米国では日常に定着している。同国では豆乳やライスミルク、ココナッツミルクなども含む植物性ミルクが、約1千300億円規模の市場を形成。なかでも8割ほどを占めるのがアーモンドミルクだ。

そのまま飲むだけでなく、シリアルにかけたりコーヒーやスムージーなどの飲料に入れたり、料理やデザートの素材としても使われ方が広がる。ベジタリアンやヴィーガン向けの飲食店をはじめ業務ユーザーの間でも、多彩な活用が進む。

日本では13年秋に本格上陸して以来、約5年が経過。参入メーカーが相次ぎ、スーパーでは専用コーナーが登場。健康戦略を強化するCVSへの配荷も進む。17年の市場は約41億円。約600億円とされる豆乳市場の規模を考えても、ポテンシャルは高いと言えそうだ。

栄養豊富なアーモンドミルクで効率的摂取を
慶應義塾大学医学部 井上浩義教授に聞く
井上浩義教授(慶應義塾大学医学部)

美容・健康機能への認知の高まりから、日本ではこの10年ほどアーモンドの市場が大きく拡大。その有用な成分をいつでも気軽に摂取できるアーモンドミルクは、健康を気づかう人たちにとって新たな味方だ。アーモンドミルク研究会のメンバーで、“ナッツ博士”としても知られるこの分野の第一人者、慶應義塾大学医学部の井上浩義教授に、アーモンドミルクの価値について語ってもらった。

――アーモンドの美容・健康機能や、それを飲料として摂取することの有効性を教えてください。

井上 アーモンドには、ビタミンEやオレイン酸、食物繊維、ミネラルが豊富に含まれる。なかでも抗酸化作用のあるビタミンE含有量は食品中トップクラス。これからの季節、紫外線対策には有効と考えられる。

アーモンドは約55%が脂肪だが、その中心はオメガ9であるオレイン酸。オレイン酸には悪玉コレステロール(LDL-コレステロール)を下げる働きが期待される。

食物繊維には便通を改善し、食後の急激な血糖値の上昇を抑えるとの報告もある。最近では老化を防ぐ「抗糖化作用」も期待されている。

ただアーモンドは水分量が2%程度で細胞壁が強靭。よく咀嚼しないと有効成分を体に取り込めない。アーモンドミルクは最初から細胞壁が粉砕されているので、栄養を効率よく吸収できる。とくに咀嚼力が弱い小児や高齢者にはアーモンドミルクの方が適している。

――効果的な利用法は。

井上 これからのシーズン、スポーツ中など熱中症対策の飲料としても有効。またアーモンドミルクには老廃物を排泄するカリウムが豊富な一方で、塩であるナトリウムは含まれない。高血圧の方には嬉しい飲み物だ。

――製品投入が相次いでいますが、活況の要因をどうみていますか。

井上 健康食材であるアーモンドを摂取する方法としての選択肢が増えているのだと思う。また、欧米でのアーモンドミルクの普及拡大が日本での消費行動を促進しているのかもしれない。

またアーモンドの食物アレルギー発生は1%以下と非常に低いことが報告されている。これもお子様から高齢者まで安心して利用していただける理由だと思う。

――製品開発や市場展開について期待することは。

井上 アーモンドミルクは、栄養バランスの取れた低カロリーの安全な飲み物。飲料としてだけでなく、料理用や高齢者の補食などの用途にさまざまな形態の製品が出てくると、アーモンドミルクはより私たちの身近な存在になると思う。