不二製油グループ本社 サステナブル調達を推進

ESG経営の重要性を語る清水洋史社長(不二製油グループ本社)
ESG経営の重要性を語る清水洋史社長(不二製油グループ本社)

社会課題解決と収益力向上へ 植物性素材でソリューション

不二製油グループ本社の清水洋史社長は、持続可能な地球環境や人権に配慮したサステナブルへの関心が高まる中で、「不二製油グループはその先陣を切り、模範になる」と決意を示した。

国連のSDGsへの対応は企業の使命とし、ESG経営による成長を具体化するべく、サステナブルを経営の根幹に据えて、植物性食品素材を活用したPBFS(プラント・ベースド・フード・ソリューション)の展開を加速。「人口増加や食資源の枯渇、高齢化などの社会課題に貢献し、収益力も向上させる」と語った。

欧米などの先進国を中心にサステナブルな原料調達への関心が高まっており、グローバル市場で展開する上で欠かせないテーマとなっている。不二製油グループが主原料とするパーム油、カカオ、大豆はサステナブルが課題となっているのが現状だ。

こうした中、同社は16年に「責任あるパーム油調達方針」を策定。環境問題や人権に配慮したパーム油の調達を目指し、サプライチェーンの把握・改善や小規模農家の支援などの取り組みを推進してきた。

昨年にはマレーシアのユナイテッドプランテーション社と合弁会社UNIFUJIを設立。今秋には現地工場が稼働し、調達から生産までのプロセスで、環境と労働問題に徹底的に配慮した認証パーム油の生産販売を拡大する。

酒井幹夫CSOは「世界企業の取引では、認証パーム油の引き合いが非常に強まっている。UNIFUJIの新工場は初年度4万~5万tの販売が既に確定し、19年度には7万~8万t規模を計画しているが、早期にフルキャパになるだろう」と語った。チョコレート原料のカカオにおいても、18年下期にも「サステナブルカカオ豆の調達方針」を策定、プログラムを開始することを明らかにした。

清水社長は「ESG経営は非財務指標ではなく、将来への財務指標であり、サステナブルは極めて重要。不二製油グループは創業以来、植物性素材を中心に事業を展開し、社会に貢献してきた会社であり、今後はマネジメントサステナビリティ(MOS)による立体的な成長曲線を目指す。それを具体化するのがPBFSであり、中核となる大豆事業や、植物性100%のクリーム、機能性油脂、コアコンビタンスのチョコレートなどの事業展開を加速する」と語った。

具体的な取り組みでは、USS製法の大豆素材は10億円規模の事業に成長し、黒字化も実現したが、「商品開発と市場創造を進め、大きく育てる」。大豆ミートなどの広がりに加え、植物性チーズなどの海外展開も進める。

チョコレートは日本での生産能力が8万t規模のフルキャパに達しているが、人手不足で顧客の省力化ニーズに対応した成形チョコレートの設備を増強。付加価値化による収益拡大につなげる。

そのほか、高付加価値の水溶性大豆多糖類、中国でのフィリング事業、米国でのノントランス油脂の生産体制を増強。成長分野での拡販と付加価値品へのシフト、新規事業の立ち上げにより、中計で掲げた営業利益成長率6%の達成を目指す。