家庭外コーヒー 家にいる時間減り拡大

エスプレッソも多様化の兆し(写真はエスプレッソの抽出方法などにこだわったスタバの新メニュー「エスプレッソ アフォガード フラペチーノ」
エスプレッソも多様化の兆し(写真はエスプレッソの抽出方法などにこだわったスタバの新メニュー「エスプレッソ アフォガード フラペチーノ」

女性社会進出や共働きが背景

外食をはじめオフィスや非外食といった家庭外(アウトホーム)のコーヒー市場が拡大している。女性の社会進出や共働き世帯の増加による家庭での滞在時間の減少が背景の一つ。今年に入って同市場の大きなトピックとしては、スターバックス コーヒー ジャパンのオフィスを中心とした小規模商圏向けの新規事業の開始や直近ではネスレのスターバックス商品販売権取得の発表が挙げられる。

7日、ネスレ(スイス)がスターバックスの店舗内を除く小売用・業務用製品の販売権を取得することで合意に達したと発表した。これにより北米市場で強固な基盤を獲得するとともに、家庭内(インホーム)市場の地位が強化されることで世界的には家庭外市場への取り組みを加速させていくことが予想される。

国内でも、大手コーヒー企業の中でオフィスをはじめとする家庭外市場の掘り起こしを先駆的に行っているのはネスレ日本で、オフィスなどで展開している「ネスカフェ アンバサダー」は既に40万人に達した。

自前ではなく協業し他社の配送ネットワークを活用することで物流費を抑えオフィスへのアプローチ強化を考えているのは味の素AGF社。製品面では「特にオフィスならではの3Rコンセプト(レスト・リラックス・リフレッシュ)に基づいた製品開発を推進する予定」(石川裕取締役副社長執行役員)だという。

企業・病院・高齢者向け施設で給食事業を手掛けるエームサービスは、カフェブランド「フレッシュブリュー」を展開しているほか、07年にライセンス契約を結んだスターバックス コーヒー ジャパンと「We Proudly Serve StarbucksTM」の展開をオフィス中心に開始した。

コーヒー市場は産地・抽出・アレンジの仕方など多方面で嗜好の多様化が進み1つのトレンドではとらえきれない状況になっている。このような前提の下、UCC上島珈琲は、人手不足を背景にマシンで簡単に抽出できるエスプレッソの提案に注力している。

石田佳宏マーケティング本部業務用開発部部長は「従来の深煎り豆の濃いエスプレッソコーヒーをミルクと合わせるといった飲み方から、浅煎りでコーヒーの味わいとミルクの甘みを楽しむといったメニュートレンドが広がっている」と語った。

エスプレッソについてはスターバックス コーヒー ジャパンの水口貴文CEOも8日の発表会で「浅煎り豆のエスプレッソ抽出は、カナダで始めて大成功しアメリカでもやっていく予定で面白いマーケットだと思っている」との見方を示した。昨年開始したエスプレッソのデカフェも順調に推移しているという。

なお、この日に同社が発表した新メニュー「エスプレッソ アフォガード フラペチーノ」は、フラペチーノが手薄な30―40代の層に向けてエスプレッソの抽出方法などにこだわったものとなっている。

そのほかエスプレッソでは、モンテ物産が展開するナポリ式エスプレッソコーヒー「キンボ」が前期(12月期)トータルで前年比8%増となり、今期も主力の業務用の足固めに取り組んでいる。

このようなエスプレッソの動きがある一方で、今年の目玉施策として「トアルコ トラジャ」40周年施策を掲げ、個人店・ホレカ全般に向けては引き続きハンドドリップを推奨しているのはキーコーヒーで「サードウェーブの流れが依然としてあり、産地・農園指定の浅煎り・中煎り豆をドリップしたコーヒーのニーズが高まるとみている」(小杉太執行役員事業本部長兼東京事業部長)。