18年2月期量販業績 GMSの利益改善進む 人件費増が好調SM直撃

大手量販の2018年2月期業績は、事業構造改革の進捗などにより総合スーパー(GMS)の利益改善が進んだが、食品スーパー(SM)は競争激化を受けた既存店売上高の伸び悩みに加え、人件費をはじめとする販管費の増加が響き減益基調となった。

GMSは利益改善が進んでいる。イオンリテールは既存店売上高こそ前年比98・6%にとどまったものの、PBを中心とする値下げにより一品単価を引き下げ買上点数を伸ばすという点は狙い通り。利益面では粗利率の改善に加え、経費削減の取り組みが寄与した。

イトーヨーカ堂は事業構造改革に伴う7店減の影響で減収だったが、衣料品の在庫適正化などによる粗利率改善などで収益性が改善し、営業利益は黒字転換。既存店売上高も98・6%(客数98・3%、客単価100・3%)となり、前々期(95・8%)から改善させた。

ユニーは19店舗減が響き売上高(日本基準)は前年割れだったが、既存店売上高は前年並みと健闘した。食品の既存店売上高は99・8%だったが、衣料品が101・2%、住関品101・4%でカバーした。利益は店舗減に伴い人件費、借地借家料(6・5%減)が減少。販管費を5・2%減とし増益としている。

イズミは好調を持続した。店舗増に伴い人件費、広告宣伝費(15・8%増)などは増加したが、コストの伸びを上回る売上げ増でカバー。平和堂は直営全店売上高、既存店売上高とも前年並みとし、コスト面でも人件費を0・7%増に抑えたが、販管費が1・2%増となったため売上高販管費比率が0・3%上昇し減益に。フジは減収だったが、人件費に加え借地借家料(1・5%減)を削減。販管費の伸びを前年並みに抑えたことで増益を確保した。

SMは人件費の増減が利益に影響した。東西の大都市圏を主戦場とするライフコーポレーションは全店、既存店とも売上げ好調だったが、人件費増に加え物件費(6・1%増)の増加などが響き営業減益となった。

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスはマルエツが増収増益となる一方、カスミは増収減益。カスミは新店効果もあり売上高を順調に伸ばしたが、人件費が膨らみ売上高人件費比率が上昇したことに加え、設備費増(5%増)などが利益を圧迫。マルエツは人件費が増加したものの、販売費や一般費の圧縮でカバーし増益につなげた。

ベルクは新店7店に加え、既存店売上高が好調に推移したこともあり2ケタ近い増収となったが、従業員数増(633人増)に伴う人件費増などにより販管費(11・4%増)が膨らみ、営業利益の伸びを圧縮した。

西日本エリアではオークワ、マックスバリュ西日本(MV西日本)が2ケタ減益となっている。オークワは食品が堅調に推移し直営売上高を伸ばしたが、人件費を含めた販管費が1・9%増(約13億円増)となったことが影響。MV西日本は売上げ減の一方、販管費が2%増となったことで大幅減益となった形だ。

表記していないが、北海道・北東北を地盤とするSMの連合体アークスは、連結売上高0・3%増(5千139億5千5百万円)、営業利益2・8%減。売上高は過去最高を更新したが、人件費などの増加を受け営業減益となった。

前述の通り、ライフコーポレーション、カスミは売上高を順調に伸ばしたものの、人件費を中心とする経費増が減益要因となった。人件費増への対応策としてセミセルフレジの導入や業務効率化施策も進んでいるが、コンビニ、ドラッグストア、ネット通販などとの競争が激化する中、競争力強化とコスト削減という相反する課題をいかにクリアするかが今期の課題となっている。

先般、セブン&アイ・ホールディングスとイズミの業務提携合意が発表された。これまでの再編劇はスケールメリット、バイイングパワーの強化を狙うケースが多かったが、今後、消費増税と軽減税率の導入も視野に、システムや業務効率化を理由とする提携・再編の動きも活発化しそうだ。