カネカ 乳製品事業「川上」「川下」に進出 酪農への貢献も目指す

パン好きの牛乳(カネカ)
パン好きの牛乳(カネカ)

カネカは5日、同社東京本社で乳製品事業参入に関する説明会を開催した。同社が得意とする業務用に加え、家庭用の牛乳、バター、ヨーグルトなどにも挑戦する。有機酪農市場の拡大に向け、北海道の酪農家と連携。道内での本格的な乳製品工場建設も検討し、5年後には乳製品事業で売上高200億円を目指す。

天知秀介取締役(カネカ)

説明会の冒頭、あいさつに立った天知秀介取締役常務執行役員は同社の食品事業の新たな方向性や乳製品事業への参入について「素材売りのビジネススタイルから脱却し、ソリューション型のビジネススタイルに変えていこうと、その変革を通じて成長、発展させていくことを目指している。カネカは食品業界の『川上』『川中』『川下』の中で川中にいるが、乳製品事業に参入ということで、川上、川下の課題についてソリューションを提供しようという思いだ」との狙いを示した。

乳製品事業の新規参入に向け、今年1月にはベルギーのPur Natur Invest BVBA(以下、Pur Natur社)と技術提携を締結。Pur Natur社は8つのグループ会社を持ち、有機乳製品をヨーロッパ各国に展開しており、優れた加工技術による風味豊かな牛乳、バター、ヨーグルト、フレッシュチーズなどの乳製品は市場で高く評価されている。カネカグループでは、Pur Natur社との技術提携により、高品質でおいしさを追求した乳製品の開発・製造を進めていく方針。

4月からは家庭用乳製品の第1弾でもある「パン好きの牛乳」(500㎖)を首都圏・関西圏のベーカリーなどで発売。5月からは製菓製パンユーザー向けに発酵バター(450g)の販売も開始する。

発酵バターについては、北海道恵庭市に自社小規模プラントを設立。伝統的な製法であるチャーン機により生産する。生乳処理量は年間4千tを見込む。将来的には高級スーパーなど小売での展開も視野に入れる。今後、自社のサプリメント素材と組み合わせた機能性ヨーグルトなどを投入し、乳製品のラインアップを拡大していく。

国内の酪農業は後継者不足や労働力不足を背景に厳しい環境にさらされており、離農の加速などが大きな課題となっている。同社では酪農家とともに魅力ある酪農業を考え、持続可能な酪農を推進することを事業展開の理念とし、酪農の生産性向上、酪農職場環境の改善、環境にやさしい酪農経営などの支援に取り組む方針。