CVS 冷食強化の春 客層変化が追い風に 素材系や弁当も拡大

CVS各社で冷凍食品カテゴリーの強化が目立つ。背景にあるのは、社会構造の変化に伴うCVSの客層や使われ方の変化だ。

高齢者や有職女性の増加に伴い、家の近所や帰宅途中のCVSで買い物を済ませる利用客が増加。95年には10%にすぎなかった50歳以上の顧客が、高齢化の進展とともに15年には30%に拡大。20年には50%に達する見込みだ。また15年時点で40%の女性顧客も、20年までに50%へと拡大するとみられている。このため従来はスーパーでの購入が大半だった冷食も、CVSでの販売が右肩上がりの傾向にある。

セブン―イレブンでは、昨年から導入を進める新レイアウトの売場で、冷食コーナーを約2倍に拡大。品揃えも大幅に拡充した。これにより冷食は1千500円の日販拡大効果が確認できたことから、この春は展開を本格化。CVSにとって新領域である素材系冷食の売場を拡大し、組み合わせ野菜やIQF凍結肉、冷凍果物などを導入するとともに、「セブンプレミアム」のおつまみ冷食も容器を皿代わりにもなるトレーに統一。利用シーン拡大を図る。

またセブンでは、3月から人気ラーメン店「すみれ」とのタイアップによる炒飯を冷食で展開。「冷食に興味がなかった若い顧客を獲得したことで、これまで考えたことがない売上げをたたき出した」(石橋誠一郎商品本部長)といい、6月には「蒙古タンメン中本」とのタイアップ商品も投入する。

ローソンも客層拡大へ冷食のラインアップを充実。「ナチュラルローソン」ブランドで20~30代女性に向けて冷凍の米飯やピザなど軽食系のロカボメニューを展開するほか、「ローソンセレクト」でも肉や点心を中心とした簡便な個食おかずの時短メニューを拡大する。

ミニストップも、昨年は冷食の売上げが2ケタ増と好調。今期は「有職女性が自宅で食べるごはん」をコンセプトに、温めるだけで食事になるデリカ的感覚の冷凍弁当を拡大する。

先行して導入した店では、女性購入客の比率が常温中食よりも高いという。保存料不使用が認知されている冷食はCVS弁当の”不健康感”に敏感な女性に支持されており、「安心・安全がアピールできるカテゴリー」(藤本明裕社長)とみる。下期までに専用の平台冷凍ケースを全店に導入し、冷食全体で1万円程度への日販拡大を目指す。