イズミ セブンとの提携で成長戦略着々

5日に業務提携を発表したセブン&アイ・ホールディングスとイズミ。両社は仕入れの統合や電子マネーの相互活用などを計画するが、そもそもは昨年春、イズミがイトーヨーカドー福山店(広島県福山市)の継承を提案したことがきっかけとなった。

同店は99年、大型商業施設ポートプラザの核店舗として開業。その前年には岡山市中心部にイトーヨーカドー岡山店をオープンし、空白地帯だった中国地方への進出を始めた。

しかし、その後は11年に倉敷市の商業施設アリオに食品館イトーヨーカドーを開いたのみで、同店も不採算店舗整理の一環として16年に閉店。昨年2月には、イオンモール岡山の出店などで激しい競争にさらされていた岡山店も閉めた。今回、唯一残った福山店をイズミが「ゆめタウン福山」として引き継ぎ、イトーヨーカドーの店は中国地方から姿を消すことになる。

一方、イズミは昨年10月、2022年度に営業収益1兆円を目標とする中計を発表。3年間で40店舗という出店計画を示した。その軸となるのはSMやNSCだ。同社はこれまで北九州のスーパー大栄、広島のユアーズ、徳島のデイリーマートなど、地盤とする中四国・九州地方においてローカルスーパーを傘下に収め勢力を拡大してきた。しかし、中計発表の際に三家本達也専務は「今後はいろいろなケースの提携を想定している」と新たな可能性を示唆していた。

今年2月には西友が運営する山口県最大級の商業施設、ザ・モール周南店と同姫路店の2店舗の経営権を取得。ゆめタウン業態として出店することを明らかにした。また、昨年5月には島根県江津市の商業施設、協同組合グリーンモールを引き継ぎ、同じくゆめタウンとしてオープンしている。

人口の減少や慢性的なオーバーストア、そして人手不足という逆風の中、主力としてきた大型店での新規出店は困難な状況にある。その中で今回のイトーヨーカドー福山店を含め、地方に点在している全国大手のSCや、単独経営が困難な地方の商業施設を引き継ぐことで大型店を増やしつつ、小型店はM&Aや自社の新店を展開しながら計画の達成を目指す。

イズミは1年前、広島市に新業態店舗のレクトを開いた。今月末にはイオンが同市内に初のジ・アウトレットを開業する。提携では共同出店も取り組み事項の1つとなっており、イオン対イズミの様相を呈する中四国・九州の小売業界において今回の提携がどう影響するかも注目される。