飲料 気温上昇で活発化 主要メーカー、戦略を遂行

春到来で外出機会が多くなり需要も高まる(写真は大塚食品が行った花見会)
春到来で外出機会が多くなり需要も高まる(写真は大塚食品が行った花見会)

全国的な気温の上昇に伴い飲料商戦も活発化している。3月29日には東日本と西日本が高気圧に覆われ6月並みの陽気になったところもあった。1―3月の市場は数量ベースで2%増と推定される。飲料の需要は天候によるところが大きく、4月から7月にかけては、比較的好天に恵まれた前年並みかそれ以上の好天となり、8月に暑い夏となるのが理想の形。天候要因以外では、人口が減少する中で一人当たりの消費量に拡大余地がある。昨年の総生産量は8月の天候不順にもかかわらず1.7%のプラスとなった。

各社とも好天を祈りつつ新商品や新提案などで一人当たりの消費量を伸ばすことに取り組んでいく。既に多くのメーカーが中長期計画や18年方針を発表し戦略を遂行している。

日本コカ・コーラは新技術を用いて開発された新商品で炭酸水市場に本格参入するなどしてイノベーションを推進していく。

ホルへ・ガルドゥニョ社長は、多様化ニーズへの対応といった諸課題を好機に変える際のカギはイノベーションにあると指摘した上で「成長を促すイノベーションのキーワードは高付加価値・パッケージ・デジタル」と語った。

潜在ニーズへの対応にも意欲をのぞかせる。「次の3年、10年にどのようなイノベーションを起こしていくかを全社挙げて取り組んでいる。その基軸となるのが消費者インサイトで、顕在化しているものもあれば、“言われてみたらそうだった”というものもある」(和佐高志マーケティング本部炭酸、エナジー、ジュース&NGP担当副社長)との考えを明らかにした。

サントリー食品インターナショナルは今年、30年に売上げを前期(12月期)の約2倍となる2.5兆円を目指す長期経営戦略と20年までの中期経営計画を発表。この目標達成のための7つの成長戦略の1つとして、国内外で新しい飲み場・買い場の創造やRTD飲料(パッケージ飲料)にとどまらない次世代のビジネスモデルの確立に取り組んでいく。

今年から“成長による利益創出”の命題に取り組むのはキリンビバレッジ。堀口英樹社長は「どこかで成長を基盤とした利益成長のサイクルをつくっていかないといけないということで今回、成長により軸足を置いた方向へステージアップすることにした」と語り、今期(12月期)から毎年1ケタ前半の数量増を図り2021年には事業利益率を前期の7・6%から10%に引き上げる方針を明らかにした。

アサヒ飲料は「今年は上位2社を追撃すべく攻めの姿勢でチャレンジをしていく第一歩だと考えている」(岸上克彦社長)とし、財務的価値と社会的価値をより意識して一層強固な経営基盤の構築を目指していく。

伊藤園は昨年、売上高を22年に6千億円へと引き上げる18―22年の中期経営計画を発表。売上高上積み計画の柱について本庄大介社長は「やはり『お~いお茶』。国内においては伊藤園単体の主力ブランドをしっかり伸ばしていく」と語った。

ポッカサッポロフード&ビバレッジは「引き続き、飲料、レモン、スープ、新規事業、海外、外食の6つの分野を中心に取り組んでいく」(岩田義浩社長)方針の下、飲料では同社の強みを生かした差別化戦略を展開していく。

柿内望マーケティング本部飲料ブランド戦略部部長は、中長期を見据えた飲料商品開発の軸足を“レモンの新価値提案”“素材由来の価値でセグメント№1”“エンタメドリンクの提案”の3つに置くとし「セグメントでのナンバーワンを目指していくとともに、飲料メーカーとしてのプレゼンスを上げていく」と語った。