カルビー松本会長退任へ 「良い文化残し、悪しき文化壊した」

カルビーは27日、帝国ホテル東京で記者発表会を開催した。松本晃会長兼CEOが会長職・CEO職・取締役を6月下旬開催予定の定時株主総会をもって退任する。新体制は4月下旬の取締役会での決議を経て、6月下旬開催予定の株主総会、取締役会の決議をもって正式に決定する予定。

松本会長のあいさつ後、伊藤秀二社長は「松本会長の言う3本目の柱を何にするか。スナックとフルグラ、そして強みを生かして次の柱を作っていかなければならない。どの分野を確固たるものにするか、明確になっていないので、数年の間に決定していくことが重要と考えている」と話した。

松本会長はおおむね次のように話した。

結論からお話すると、私、松本晃は今年6月下旬の株主総会をもってカルビーを卒業することにした。カルビーは松尾孝さんが創業し、1964年にかっぱえびせんで一人前の会社になり、ご兄弟を中心にカルビーを作ってきた。松尾雅彦さんとは17~18年前から時々お会いする間柄で、私がジョンソン&ジョンソンを辞める時、カルビーをやらないかと声をかけていただき、1年間は社外取締役、1年後に今のポジションに就き、今年6月で9年になる。

当時からカルビーは悪い会社ではなく、スナックでは断トツの一等だったが、利益がどんどん減り、当時は借金が260億円あり、これを何とかしないかとお誘いを受け、伊藤秀二さんと二人三脚でこの9年やってきた。そこでいろんな意味の改革、変革をしてきた。

基本的には会社を簡素化、透明化、権限委譲、コーポレートガバナンスをすることも松尾さんに快く受けてもらった。オフィスも移転、人事制度も変えたし、企業の制度も相当程度変えた。コストの高い会社だったので製造原価を下げてきた。松尾さんは先般、2月に天国へ旅立ったが、松塾を2人でやって回数を重ね、ダイバーシティはムキになってやり、働き方改革もやった。

結果としてまずまずの業績だったと思う。最初の7年間は売上げを10%強伸ばし、利益は20%強上がった。この2年間は踊り場だが、企業はある時、必ず踊り場を迎えるので、これを起点に成長しなければならない。今後は伊藤秀二さんをリーダーにして踊り場を克服するのではないかと信じている。

ジョンソン&ジョンソンも9年、カルビーも9年間楽しくやり、ここでいい区切りと考えた。今のところは全面的に身を引くつもり。この9年間、皆さまにはいろんな意味でいろんなところで支えていただいた。改めて本当にお世話になりました。

悪しき文化をぶっ壊せとやってきたが、ある程度いい部分を残しながら悪しき文化をぶっ壊せたのではないかと思っている。カルビーに来た時に4年しかやらないと宣言した。3月11日に上場した後、いつでも会社を去れるようにしておけばいいと思ってきたが、この3年間は辞めることを考えてきたので、ここら辺がいい引き際という感じ。一番変えたかったのは、カルビーはいい会社だが、こんなに儲からない会社ではない。コミットアンドアカウントビリティ、すなわちビジネスの世界は約束したことは守るということで社員一人一人が上司と契約する。契約なんだからしっかり守れよと言ってやってきた。C&Aと呼んでおり、まだ完璧ではないが、段々と醸成されてきたと思っている。

ダイバーシティは遅々として進んでいる。現状は日本企業は世界で戦えるかというと戦えない。日本人、男、シニア、一流大学の人の特権となっており、その人たちが手放すはずがない。だからダイバーシティについては、いつでも力づくでムキになってやってきた。それなりに日本の会社として、カルビーはダイバーシティで認められてきたのではないかと思っている。

現状維持に満足しないでほしい。営業利益15%ぐらいは誰でもできると言ってやってきたが、食品産業はそれなりに良い利益が上がる。恐らく今後は伊藤さんがやってくれると思うが、ますます日本だけではなく、世界に羽ばたくカルビーになってほしい。カルビーはいい名前だ。アメリカでもヨーロッパでも通じると思う。カルビーの同窓会長になれるかどうか分からないが、チアリーダーぐらいにはなりたい。