“豊かな海”を取り戻せ

毎年のように様々な水産物の不漁が報道されている。地球温暖化により漁場が変わったのではないか、乱獲の影響ではないかなどと原因が推測されているが、実際のところは判然としない。

▼同様に海藻も不作が続いている。養殖の海苔をはじめ昆布、ワカメなどの生育が思わしくない。「温暖化だけでなく、栄養源の問題もあるのではないか」と海藻加工メーカーの社長は言う。

▼国内では河川が整備され、各地で下水道の整備も進んでいる。それによって海藻類の栄養源となる窒素やリンが不足。かつて「無リンの洗剤が出回るようになった時、ひじきの生育が悪くなり、海岸に肥をまいた時があった」と、ひじき加工業者は言う。”きれいすぎる”川や海が栄養不足に陥っている。

▼ある水産試験場では海藻の栄養源を入れた袋を養殖場に設置し、少しずつ放出させるシステムを考案。それによってワカメの生育が改善された事例があるという。海の栄養不足でプランクトンなど貝や小魚のエサが減少。それが大型の魚の減少にもつながっているのだろうか。今、“豊かな海”が求められている。