ローソン型“ラストワンマイル” スマホで朝注文→夕方店舗へ 生鮮など500品展開

ローソンでは、スマホで食材を注文してその日のうちに店頭で受け取れる新サービス「ローソン フレッシュ ピック」(ロピック)を、6日から東京・神奈川の一部エリアで開始した。自社の既存物流網を活用した“ローソン型ラストワンマイル”で、女性の社会進出や共働き世帯の拡大も背景に増える忙しい生活者のニーズに応える。

急速な拡大をみせるEコマース(EC)市場。アマゾンや大手小売業では生鮮EC市場への参入も相次ぐが、その比率はいまだ小さい。6日に会見したローソンの竹増貞信社長によれば、その大きな理由として考えられるのが、日々の食材を毎日買いに出かける日本の消費スタイルだという。「毎日食べるものは毎日すぐ買って使いたい。だが2時間刻みの時間帯で配達してくれても、その間は家にいなければならず、忙しい平日の生活シーンではありえない。帰り道にあるローソンで必要なものを買えれば、お客様が時間を最も効率的に利用できる」。

専用のスマホアプリ(ロピック)
専用のスマホアプリ(ロピック)
宅配方式が主流の既存の生鮮ECに対し、新サービス「ロピック」では近所のローソン店舗で受け取るのが特徴だ。朝8時までにスマホの専用アプリで注文すると、センターから店舗への商品配送時に一緒に届ける。ウォークイン冷蔵庫内で保管され、夕方6時以降に店舗で購入可能。決済はネット上ではなく、通常の購入と同様に店頭で支払う。仕事帰りに立ち寄った店舗で手早く購入できるほか、近所にスーパーがない人の利用も想定しているという。

当初のアイテム数は生鮮・日配50品に加え、食材と調味料などがセットになったミールキット約20種、成城石井商品を含む専門店グルメ110種など、合計約500品。生活者の都合に合わせて受け取れる利便性と、スーパーとも遜色のない価格を武器に浸透を図る。「ローソンは全国に1万4千店あり、Eコマースにはないリアル店舗の価値がある。さらにチルド物流網だけでも1日に2、3便あり、3温度帯のセンターも構えている。これ以上の物流網は日本にはなく、使わない手はない」(竹増氏)。社会インフラとしての店舗・物流網の価値を最大限に活用することで、消費者の不便解消とともに、再配達コスト増大など企業の物流問題も解決する考えだ。

同社のネットスーパー事業「ローソンフレッシュ」では、すでに生鮮品の宅配を行っている。またSGホールディングスとの共同出資会社「SGローソン」では、ローソン店舗にある商品を自宅まで届けるサービスを15年から世田谷区内で展開しているが、近年の人手不足などの問題もあり拡大は進んでいない。

これらとも共存することになるロピックだが、既存の店舗網・物流網を活用するため、新たな投資は少なくて済む見通し。既存サービスとの棲み分けを模索することになりそうだ。

当面は客単価1千~1千500円、1日1店舗あたり10人の利用客を想定し、1万~1万5千円の日販を見込む。ネットスーパーと異なり店舗での販売のため利益は加盟店の粗利に計上され、店舗スタッフのモチベーションにもつながるとみている。世田谷・渋谷の都内2区に川崎・横浜両市の一部エリアを加えた、合計約200店でスタート。上期中に1千店、今期中に首都圏を網羅する2千店程度まで拡大し、その後は全国の主要都市に順次広げていく計画だ。