軽減税率対策補助金 申請6万件超に 対応レジの導入進む

軽減税率対策補助金

中小小売業の複数税率対応レジの購入などを国が支援する軽減税率対策補助金の申請件数が6万件を突破したことが中小企業基盤整備機構(中小機構)への取材で分かった。レジ販売業者やリース業者による代理申請が活発化しているようだ。

同補助金は19年10月の消費税率の引き上げに合わせて行われる軽減税率制度の導入に向け、複数の税率に対応するレジや受発注システムの購入・改修費用の一部を補助するもの。

対象は中小事業者(製造業=資本金3億円以下・従業員数300人以下、卸売業=資本金1億円以下・従業員数100人以下、小売業=資本金5千万円以下・従業員数50人以下)で、主に単独店~数店規模の中小食品スーパーや食料品専門店が該当する。小売業への最大支給額はレジで200万円、受発注システムで1千万円となる。

中小企業庁は中小機構を通じて16年4月に同補助金の公募を開始。当初今年1月末としていた申請受付期限を19年12月16日に延長し、都道府県ごとの軽減税率制度実施協議会やレジ販売業者など全国約1千800の代理申請協力店を通じて利用を呼びかけている。

公募開始直後に消費増税の先送りが決まったことから、立ち上がりこそ鈍かったものの、申請件数はここへ来て急速に広がる方向にある(今月6日現在で6万3千605件、総申請額179億円)。小売の定期的なレジの入れ替えに合わせ、レジ販売業者らが代理申請を行うケースが増えている。

システム支援は出遅れ

ただし、現時点では最終的な申請見込み件数(30万~40万件)に遠く及ばない状況で、レジのリプレース周期の長い中小小売店などへの周知が遅れている可能性がある。また、申請の多くはレジの導入・改修を対象とするA型で、受発注システム等の切り換えを支援するB型の申請はさほど増えていない。

食品事業者が軽減税率制度に対応するには商品マスタやEDIフォーマットへの税率区分項目の追加が必要になるが、同制度では23年10月から複雑なインボイス方式(適用税率ごとの税額を記載した請求書等の交付・保存)による仕入税額控除が義務づけられるため、企業側にそれを見据えた計画的なシステム改修が求められる。インボイス方式には電子帳票の活用基準をはじめ不透明な点が多く、大手企業もシステム対応のあり方を決めかねているのが実情だ。

補助金の効果的な活用を進めていくためにも、政府は企業のシステム設計に欠かせないインボイス方式の詳細な実運用ルールを速やかに示す必要がある。