塩は全ての基礎

業務用塩が4月から値上がりする。国内海水を原料に製塩する国内塩メーカーは、主要燃料である石炭高騰がコストを圧迫している。海水に含まれる塩分3%を得るためには97%の水分を蒸発させる必要があり、膨大なエネルギーが必要とされる

▼物流費の上昇も大きい。塩は単価が安い分、全体コストに占める物流ウエートが高く、他の食品と比べものにならない。輸入塩においては遠く海外から原料が運ばれてくるため、海上運賃上昇の影響を受けている

▼ただ、今回の価格改定の一番の理由は安全・安心に対する維持投資費用の増加である。海岸近くに立地することや、作る製品が塩だけにラインは錆びやすく、異物混入を防ぐには日頃からきめ細かなメンテナンスが欠かせない

▼少子高齢化が進み、塩が悪者にされる中で、総需要は減退傾向にある。一方で異物のない安定した品質の塩はニーズが高まっている。塩は代替性がなく、すべての加工食品に必要となる基礎調味料である。食品メーカーの安定操業を継続・維持するには、これまで以上に設備を衛生的に保たないと食品業界の将来は描けない。