大手酒類4社決算 国内酒類減、海外が伸長 新価値提案で乗り越えるか

大手酒類企業グループ4社の17年決算が出揃った。各社ともに売上収益・売上高は伸長。事業利益・営業利益では3社が伸ばした。国内酒類事業などで苦戦や伸び悩みの中、海外や飲料等事業が好調に推移した。アサヒグループHDの売上収益は初の2兆円超えで2位に浮上。キリンHDは事業利益が過去最高、ブラジル事業売却もあり親会社の所有者に帰属する当期利益は6割以上の伸びを見せた。

昨年の国内では6月に新取引基準が施行され過度な安売りが規制され店頭価格が上昇した上、夏場の天候不順や秋の台風などによりビール類を中心に苦戦。海外事業や新価値創出などに活路を見いだしたいところだ。

サントリーHD売上収益(酒税込み)のうち国内は1兆4千668億円(0.9%増)に対して海外は9千535億円(5.4%増)と海外の伸び率が高い。海外比率39.4%。

アサヒグループHDの酒類事業は9千688億5千8百万円(0.8%減)、事業利益1千215億1千6百万円(0.6%増)に対して飲料事業は3千745億1千7百万円(2.9%増)、事業利益は383億2千百万円(18.5%増)と飲料の伸び率が目立つ。また国際事業では豪州事業が好調に推移したほか買収した欧州事業が上乗せとなり売上収益6千211億1千2百万円(48.1%増)、事業利益659億円(334%増)と大きな伸び率だ。

キリンHDも日本綜合飲料事業は売上収益1兆510億円(1%減)、事業利益725億円(6.9%増)。海外綜合飲料事業では事業利益は660億円(0.5%減)で着地したが売上収益は4千486億円(4.7%増)と増収だった。利益面でもキリンビバレッジの事業利益が25.1%増と大きく伸ばした。

サッポロHDの国内酒類事業は売上高2千786億9千2百万円(0.3%減)、営業利益117億6千7百万円(0.2%増)に対して国際事業の売上高698億3千7百万円(6.8%増)と伸長。ただ買収費用などにより減益した。

今春には業務用酒類の一部値上げも予定されて国内酒類市場は厳しさが予想される一方、4月にはビール定義が改正されることなどからクラフトなど新たな価値を持ったビール類の提案、また高アルビールの投入も相次いでいる。キリンは2月26日に「のどごしSTRONG」年間販売目標の上方修正を発表するなど高アルビールは好評だ。

RTD(缶チューハイなど)も高い伸びをみせワイン市場も前年を上回るなど、厳しさの半面、明るい話題もみられ期待がかかるところだ。