胃袋縮小時代 “清酒復活”に見るヒント

帝国データバンク 清酒メーカーの経営実態調査

帝国データバンクが先月発表した「清酒メーカーの経営実態調査」によれば、国内清酒メーカーの16年度合計売上高は前年度比0.6%増の4千416億円余となり、5年連続で前の年度を上回った。

▼これは醸造技術の水平展開を進める大手だけの数字ではない。集計企業数は1千77社で、全メーカー(1千254社)の9割弱をカバーしている。このことは地方の中小蔵元を含む業界全体が成長軌道に復したことを裏付ける。

▼しかし、清酒の課税移出数量は業界売上げが上昇に転じた12年以降も減り続けている。輸出額もまだまだ小さく(16年約430億円、財務省貿易統計)、業界を底上げするほどには育っていない。

▼では、なぜ清酒業界は持ち直したのか。最大の理由は“量から質への転換”だろう。清酒の国内総生産量に占める特定名称酒の割合は、15年までの5年間で実に9.4ポイント上昇(42.9%)している。これら高付加価値品へのシフトが平均価格を劇的に押し上げている可能性がある。そこには食品業界が胃袋の縮小を乗り切るためのヒントがある。