ワイン 17年は2~3%増見込み 値上げ、天候など厳しい面も

今年のワイン市場は6月の改正酒税法施行やRTD、ウイスキー伸長の影響もあり、8月までの課税移出数量は前年同期比103%と堅調に推移している。今年の着地も2~3%増と見込まれており、原材料などのコスト上昇などの不安を抱えながらも中長期的な成長トレンドに変化は見られない。

今年の特徴は、国内製造品への回帰傾向が見られるようになったことだ。廉価なチリ産に押されて厳しい様相を呈していた日本ワイン以外の国内製造品、いわゆる国産品市場では各社が新製品、リニューアルなど積極的な提案を繰り広げたことなどが功を奏し、酸化防止剤無添加カテゴリーを中心に伸長した。「低価格輸入品に飽き始めてきた消費者もいるのではないか」との声も聞かれる。

チリ産でも中高価格帯への支持も広がっており、今年も輸入通関1位の見込みだ。原材料不足に悩まされながらも日本ワインも好調に伸長しており、低価格帯でワインになじんだ消費者が中高価格帯にステップアップする動きが本格化するのではないかとの期待も聞かれる。

ただ、業界の一部では改正酒税法への懸念も聞かれる。これはワインを増税し、同じ醸造酒である清酒との税率を平成35年に一本化するというもの。市場に冷や水を浴びせることになりかねず、日本ワイナリー協会では平成30年度税制改正要望項目として租税特別措置法の延長などや低アルコールワインに対する低額税率の適用などを要望している。

来年には一部商品の値上げを行うと発表している大手企業もあり、他企業が追随するかが注目されている。海外ワイナリーの蔵出し価格上昇も続くとみられ、天候次第ではさらに厳しいコスト環境も想定されている。

関係者からは「大手は乗り切れるが中小のワイナリーや輸入業者は苦しい局面もあるだろう。政府は中小保護策の強化や制度の簡素化などで側面支援できるはず」との声も上がっている。