カマンベール狂想曲 機能性報道は仇か? 輸入品台頭に複雑顔

カマンベールのブームが続いている。今上期も市場は前年同期比2ケタ増と伸長した。

認知症の予防効果が各種メディアで報道されたことよる間口と奥行きの広がりが主因だが、急激な需要増で国産がひっ迫する中、輸入品で販促をかける小売が出るなど市場環境も変わりつつある。

カマンベールの国内大手は雪印メグミルクと明治。今上期はともに1ケタ台中盤の伸びとなった。ここ数年のカマンベールブームを受けた需要増で供給がタイトになっているため。明治は現在、製造能力増強に向け設備投資を実施中だが、生産開始は来年度上期で、ボージョレヌーボーやクリスマスをはじめとする今期のハイシーズンには間に合わない。

従来はハイシーズンに向け在庫を積み増して対応していたが、ここ数年は健康志向を背景とするブームで順調に在庫が消化されているため、最終四半期以降、供給がさらにタイトになる可能性も出ている。

こうした状況下、店頭で目立つようになってきたのが輸入品。実際、一部輸入カマンベールが店頭販促のメーンになるケースも散見されるようになってきた。カマンベールの普及・拡大にとっては決して悪いことではないものの、問題は国産と一部輸入品で風味が大きく異なる点。

当然のことながら、カマンベールは欧州、フランスが本場。味覚嗜好は別として、「国産と風味の大きく異なる輸入品こそが『カマンベール』と思われては困る」(業界関係者)といった懸念の声も聞かれ始めた。

今回のブームは、「認知症の予防に効果がある」という旨の報道が繰り返しなされたことがシニア層の購買意欲を刺激し、エントリーが拡大したことによるもの。「チーズは好きではないが、認知症の予防にいいというので食べている」というヘビーユーザーも存在する異常事態となっている。

このため、カマンベールに代わる別の何かが出てくればブームが終えんする可能性もある。エントリーのきっかけはともかく、参入してきたユーザーをどれだけファンとして取り込めるか。カマンベール市場の今後を占う上からも注目されている。