文化を残せるか

年末になると餅シーズンを迎える。鍋や焼き餅、雑煮、しるこなど寒い時期に餅は様々なシーンで登場する。正月における需要は大きく、鏡餅も各家庭になくてはならないアイテムである

▼ところが近年は鏡餅を飾らない家庭も増えている。マンション化で床の間がなくなり、ブラウン管テレビの衰退でテレビ上の飾る場所もなくなった。メーカーは液晶テレビ前に置ける鏡餅や、場所を取らない小型商品の開発、子供が喜ぶキャラクターものなど多様なアイテムを取り揃える

▼鏡餅型容器の中に満タン充填した餅を取り出しやすいような容器開発や、飾った後に捨てやすい素材の採用、中に入れる餅には切り込みを入れて手で割って食べやすいサイズにできる等々、メーカーの努力は枚挙に暇がない

▼神棚にもこだわらない若い夫婦が増える中で、いかに鏡餅を飾って、供え、その年の健康を祈り、鏡開きで食べるという文化を残すことができるか。日本古来の信仰に裏打ちされた食品だけに、メーカー1社で何とかなるものでもない。餅業界に課せられた大変大きな課題である。