米粉 グルテンフリーに活路 農水は一気にノングルテンへ

グルテンフリーが注目を集めるようになってきた。米粉使用のミックス粉や餃子商品などが販路を広げる一方、政府は一気にノングルテンまで目標設定を高め、欧米での市場開拓を視野に入れ始めた。長い間、需要創造に苦労してきた米粉だが、グルテンフリーに活路を見いだしつつある。

これまでベーカリー系に原料として米粉を納入することが多かった熊本製粉は、15年に米国の認証団体GFCOから認証を取得、FDAの基準に基づき“GLUTEN FREE”と表記した商品3アイテム(玄米粉、ホットケーキミックス、パンミックス)を発売した。今春からは地元のGMSや大手ドラッグのほか関東の高質店でも採用が決まり、秋棚からは首都圏で展開する大手食品スーパーなどにも販路を拡大している。

また、米粉100%の皮で国産の豚肉・野菜を包んだ餃子計画の「ニッポンのギョーザ」は、これまで国産とともに“特定原材料7品目不使用”でアレルギー対応を訴求してきたが、今秋からグルテンフリーを全面に打ち出したパッケージデザインに変更。今秋から北海道から沖縄まで展開するGMSと系列の食品スーパーでの販売が始まった。

一方、農林水産省は3月に、米粉製品の普及のための表示に関するガイドラインを策定、グルテン含有量が1ppm以下の製品に「ノングルテン(Non―Gluten)」を表示することを決めた。1ppmとは、1tの米粉にわずか1gのグルテンが混入している状態で、検出限界に相当する。欧米で「グルテンフリー」表記が認められるのは20ppm以下の製品であるため、欧米基準と比べると各段に厳しい条件設定だ。日本人のセリアック患者はそもそも存在しないため、はなから国内需要を当て込んだ基準設定ではなく、ノングルテン表示で高い安心感を提供することにより世界に日本産米粉をアピールしていくのが狙い。

1ppmは新潟や秋田などの米作地帯で、新規需要米制度により立ち上げた製粉メーカーは比較的容易に実現できる。しかし、既存の穀粉メーカーや二毛作でカントリーエレベーターなどの共用を行っている地域では、小麦粉とのコンタミに相当な注意を払う必要があるなど地域による温度差も大きい。しかし、生産調整(減反政策)が来年度から廃止されるため、新たな需要創造に待ったなしという状況でもある。農水省は11月までに認証機関の登録をスタートさせ、年内には「ノングルテン」を表示した製品の流通を考えている。