選挙カーが走る時に

中選挙区制ということもあったが、55年体制下、総選挙と言えば、政権与党の信任投票という色合いが濃かったように記憶している

▼私見だが、野党に本気で政権を奪取しようという気概は感じられず、その意味で政権選択の余地はなかったが、選挙民は政権の横暴や慢心に対し、時に「お灸を据える」とばかりに野党にも票を投じた。今にして思えば、当時の選挙民は絶妙なバランス感覚で政治に民意を反映させていた

▼安倍首相は25日、衆議院を解散し、総選挙に臨む考えを明らかにしたが、今回の総選挙、政権選択というより、現政権の信任的な意味合いが強くなりそう。野党第1党は政権を奪取するどころか、脱落者が相次ぎ存亡の危機。憲法改正、安全保障、社会保障、財政規律等々、内外とも難問山積のはずだが、大義とされる総選挙の争点は見えにくい

▼食品産業界にとっての関心事は消費税率引き上げと軽減税率の導入、総額表示方式の義務付け廃止等々の行方。業界にしてみれば、ここ数年、翻弄され続けてきた。選挙結果はともかく、これ以上の先送りは御免である。