原料原産地表示 今月から

今月から、すべての加工食品に原料原産地表示を義務付ける内閣府令が施行された。猶予期間が設けられ、完全導入は22年4月だが、事業者にとってクリアすべきハードルは高い

▼重量順一位が単一原料で、産地が固定化されていればいいが、加工食品の場合はそうもいかない。天候や時期による産地変更、小麦粉や果汁のように原料の配合によって安定品質を維持するケースも多く、それらを常に正確にパッケージに表示するのは容易ではない

▼こうした実情を踏まえ、可能性表示や大括り表示、製造地表示等の例外規定を設けたが、すべての加工食品に網をかけようとしたため、複雑で分かりづらい表示制度になった。「A国、B国」と「A国又はB国」の違いを、ひと目で理解できるだろうか

▼事業者のコスト負担が増大するだけでなく、中小零細事業者が果たして対応できるのかという不安が残る。消費者庁は制度の円滑な運用に向けて、事業者の説明相談、消費者への普及啓発に取り組む方針だが、その責任は重い。曖昧な表示内容に対する混乱も想定される中で、「制度に沿って事業者・消費者がしっかりと対応して下さい」では済まない。