物足りないぐらいが、ちょうど良い!?

70年代の料理漫画「包丁人味平」での1コマ。料理対決に勝利した主人公に、長老の審査員が「自分の料理を、水を飲まずに食べてみろ」と指示するが、主人公はその皿を平らげることができなかった。2~3口の味見勝負ならそれで済むが、客に1食として提供するには味が濃すぎるというオチだ。

▼時代は下り現代、高齢化の進行や女性の社会進出、単身・共働き世帯の増加などを背景に、食をめぐる環境はすっかり様変わりした。外食、中食が大きく発展を遂げ、家庭用では野菜や肉など素材を1~2品を加えるだけで出来る簡便調味料が急成長している。

▼ただ、こうした商品に以前から感じているのが味の濃さ。ご飯と合わせることを考慮してのものだろうが、1~2口で勝負がついてしまう商談に勝ち抜くためという、業界事情も垣間見える。

▼高齢化が進み、日々の食事においても、減塩をはじめ体に優しい味付けが求められている。〈物足りないぐらいが、ちょうど良い〉、そんな気もするが、「いやいや、お前はもっと額に汗して働け」という天の声も聞こえてくる。