カゴメの通販ビジネス戦略 「健康直送便」「農園応援」が二本柱

カゴメ マーケティング本部通販事業部長 山本善太氏
カゴメ マーケティング本部通販事業部長 山本善太氏

カゴメは1998年に通販事業「健康直送便」をスタートし、「店では買えない特別なカゴメ」をコンセプトに、野菜飲料やサプリメントなどを展開。現在は約40万人の顧客とダイレクトな関係を保ち、約94億円の売上(2016年度)がある。そして昨年から地方の特色ある果実や野菜を販売する「農園応援」を開始した。そこで山本善太マーケティング本部通販事業部長に事業の現況を聞いた。

――通販事業の経過と経緯は。

山本 通販事業がスタートして来年で20年になるが、事業を開始したきっかけは二つある。一つは、飲料マーケットの中で野菜飲料がいろいろな意味で市民権を獲得したことだ。1995年に「野菜生活」を発売したが、それまでの野菜飲料はトマトをベースにしていたが、人参ベースの商品に品揃えが拡大し、マーケットも急激に大きくなった。こうした中で当社は、飲料事業の中で野菜飲料を国民健康飲料に育成するというミッションを掲げ、野菜飲料の価値を伝えるために普及啓蒙活動として「体内環境正常化キャンペーン」も展開した。健康のために野菜飲料を継続的に飲む流れが確実にできつつあった。

もう一つは、今後の高齢化社会に備え、仕事に従事する主婦が増える中で、飲料は持ち運ぶのに重く、まとめて家に宅配してほしい声が高まった。そこで新しい時代に向けたビジネスとして通販事業を立ち上げた。

――スタートするにあたっては苦労もあったでしょうね。

山本 一般の食品流通と同じように商品を企画してモノを作るという部分は同じだが、そこから先はお客様が「直」なので大きく異なる。広告を見て電話で注文をもらう。カード等で代金決済する。モノを運ぶのは宅配を利用する。お客様の問い合わせはコールセンターで対応するなど、「直」ならではの対応が必要だった。そのため当初は小さなプラットフォームからスタートした。だが今では100席以上あるコールセンターを福岡に構えるようになった。

通販は、広告だけでモノを売るというビジネスモデルで、最初は新聞広告だけだったが、新聞ばかりに頼っていると販売効率が悪いので、試行錯誤しながらより効率的なメディアに広告をするようになった。

新聞広告やインターネット、折込チラシ、テレビインフォマーシャルなどを展開してきたが、最近はインターネットが主流になっている。新しいお客様の半分はインターネットから購入している。商品によってメディアの使い方を変えているが、基本は常にPDCAサイクルを回している。広告のクリエイティブひとつをとっても、通常のマス広告のようにブランドイメージをあげる広告ではなく、買ってもらうための広告であり、いろいろなトライ&エラーを積み重ね、これが最適だというところまでPDCAサイクルを繰り返しながら、ベストな形にしている。

(8月11日付本紙より一部抜粋)