物流で酒類価値向上 7℃輸送のビール本格展開 三菱食品

三菱食品は低温物流網を活かした酒類の付加価値向上に取り組む。7月10日にチルド配送限定の自社開発RTD「きちんと果実」を投入したのに続き、昨年6月から一部の販路に供給していたチルド配送クラフトビール「J−CRAFT」シリーズ(写真)を刷新。

醸造所で飲む作りたての味と香りが楽しめる差別化商品として全国のスーパー・CVSや高感度な料飲店に供給する。スーパーに対しては、同シリーズにチルド酒類売場の設置も呼びかける。

J−CRAFTはベアード・ブルーイング(静岡県伊豆市)など国内クラフトビールメーカー6社と共同で開発した留め型シリーズ。非加熱・無濾過でボトリングされたビールを工場から店舗まで7℃帯で輸送することで、品質への負荷を最小限に抑える。

賞味期限も120~150日と一般のビールに比べ短いが、取扱い店舗が余裕を持って販売できるよう、三菱食品側で工場への引き取り物流を頻繁に行う。低温機能を持たない業務用酒販店なども店舗までの品温管理を徹底できるよう、独自に強力な保冷シッパーも開発した。

既に一部の質販店やカフェでの販売が始まっているが、同社は今回のリニューアルを機にスーパー・CVSへの商談を加速。秋冬棚割でのフェース獲得に弾みを付けるべく、7月28日から東京・表参道で消費者向けのトライアルイベントを開始した(8月10日まで)。初年度売上げは6品合計6億円を見込む。

チルド配送で酒類の品質価値を高める動きは00年代初頭から始まっているが、大手食品卸が市場活性化の柱に位置づけて全社規模で取り組むのは初めて。6月に始まった酒の不当廉売規制で販促の見直しが迫られる中、新たな販売方法の一つとして注目を集めそうだ。

三菱食品はJ−CRAFTを足がかりにNBの生酒などを加えたチルド酒類売場の設置をスーパーに提案。既に有力チェーンの新店・改装店などで3尺1本のコーナー化を始めたところもあり、従来の種類(たねるい)別陳列とは違った売場が形成されていく可能性がある。