「一番搾り」海外展開5割増目指す 成長加速へ刷新

山形光晴マーケティング部長㊧(キリンビール)
山形光晴マーケティング部長㊧(キリンビール)

キリンビールは主力ビール「一番搾り」を国内でのフル・リニューアルに続き、海外で展開する「一番搾り」もリニューアルし、「新・一番搾り」を日本のビールの本流にすべく活動を展開する。併せて、グローバルブランディングの推進体制を整え、「一番搾り」の“グローバル ブランド マネージャー”を新設した。

同社では「一番搾り」をグループの旗艦ブランドとして中長期的視点で育成し、日本のクオリティーと文化を象徴するブランドとして独自の強い立場を確立するといったビジョンを掲げる。東アジア、北米を重点エリアとし、発売30周年を迎える20年には日本以外の「一番搾り」ブランド合計販売数量5割増(15年比)を目指す。

現在は40の国や地域で展開、16年の海外販売は前年比約2割増と成長が加速している。日本らしさを体現した“おいしいビール”として受け入れられたとみている。

今回のグローバルリニューアルでは“さらに「上品な麦のうまみ」へ”を掲げた。「上品」を嫌なクセのない調和のとれた味わいと定義し、

①「低温麦汁ろ過技術」を新採用し渋味を抑制
②やや突出していた酸味を穏やかにするため仕込工程を最適化
③発酵で生じる甘い香りを抑制する

――を実現した。「麦のうまみ」は糖化方法を見直すことで実現。浸透しつつある「うまみ」という単語の認知をより進めたいとしている。

輸出品では韓国、台湾といった東アジアを中心に8月製造品から順次切り替える予定。米国、ドイツなど欧米を中心とした海外製造品は12月製造品以降、順次展開するとしている。

味覚は国・地域によって異なるが、原材料が異なったとしても消費者が知覚する品質に近づけるとし、東京の管理チームが現地生産品を含めレシピなどを管理する。定期的に各商品を集め味覚上の差異もチェックする。責任者らによる会議も開き、工場見学や成功事例の共有も行う。グローバル ブランド マネージャーは各国を回り、セミナーを開催、ブランド哲学の共有も図る。

20年に向けて増加する外国人観光客も視野に入れ、ブランドの露出を図ることで国内インバウンド消費も期待している。

台湾では「made in Japan」商品の人気が高いといい、現地生産ではなく輸出で対応。商品を店頭まで冷蔵で配送し、のど元までの品質を担保する。

国内では7月下旬製造分からフル・リニューアル品を順次投入。過去最高レベルの大型プロモーションをかける。10月に投入する「一番搾り〈黒生〉」などの期間限定品なども活用しながらトライアル獲得を目指し、重要な接点とみる歳暮ギフトにも注力する構えだ。工場見学も充実させ、英語、ハングル、中国語にも対応する。

24日に開かれたマーケティング説明会で、山形光晴マーケティング部長は「海外で、食中に飲んでもらうポジションを獲得したい。(今回のリニューアルによって)成長をさらに加速したい」と意気込んでいる。