家庭用塩 和食文化の礎、業界挙げて価値再構築を

塩と暮らしを結ぶ運動協議会 塩 和食

家庭で消費する塩の量は年々縮小傾向にある。いよいよ日本の総人口そのものが後退局面に入り、少子高齢化により食需要総体が伸び悩む中、食事の根幹を成す塩も伸びる構図にない。加えて医師が減塩を推奨する声が、健康意識の高まりで一段と高く聞こえてきた。

塩分摂取は本来、その人の体調や運動量に比例して行うべきだが、一般消費者にはとにかく何が何でも減塩すればするほど体に良いという誤った情報が定着しつつある。このように考えると一見、塩の消費にとって逆風の環境しかないように見える。しかしながら、塩が人体に必要不可欠で代替性のない物質であるという事実は変わることがない。

人が生きていく上で、人体が自ら作り出すことのできない適当な塩分の摂取は欠かすことができないのである。業界もようやく重い腰を上げて、塩の大切さを訴える「塩と暮らしを結ぶ運動協議会」を今年5月にスタートした。その活動はまだ緒に付いたばかりだが、夏場の塩分摂取の必要性について、NHKや民放各社も天気予報と同時に一言添える機会が増えてきた。

塩はユネスコ登録された和食の基礎調味料であり、日本独特のにがり文化が多様な食に貢献してきたことは間違いない。塩の価値を改めて再発見し消費者に訴えていくことが、和食文化を支える塩の製造・販売に携わる次世代に一筋の希望を注ぐことにつながる。

(7月14日付本紙「家庭用塩特集」より一部抜粋)