安定成長続く家庭用チーズ 懸念材料は日欧EPA

2016年度の家庭用チーズ市場は前年比5%増(プロセスチーズ2%増、ナチュラルチーズ9%増)と好調に推移した。引き続き家飲みや内食志向を背景とする底堅い需要に支えられているものと見られ、ナチュラルチーズ(以下NC)ではカマンベール、モッツァレラ、粉など、プロセスチーズ(以下PC)ではベビー、6Pといった値頃感のあるおつまみ系商品が牽引役となっている。

一方、差別化が難しいシュレッド、スライスについては競争が激化、単価ダウンも進むといったように、ジャンルや用途によって明暗が分かれてきた。全体的には各メーカーが得意商材で価値訴求を進め、脱・同質競争に向けた動きを加速させるといった形が続く。

メリハリ消費も背景に、小売のNC強化等々、製配販一体となった価値訴求の取り組みも進み、間口と奥行きの拡大に向けた好循環を創出しているが、6日に大枠合意した日欧EPAは、欧州産NCとNCを加工したチーズの一部などに低関税の輸入枠(関割)を新設することで決着。将来的に欧州産NCの輸入増が確実となった。国内酪農乳業界への影響は必至で、メーカーは今後、事業戦略の練り直しを迫られる可能性も出てきた。

(7月12日付本紙「家庭用チーズ特集」より一部抜粋)