九州小売業 価格訴求業態が台頭 食品スーパーは出店数に陰り

九州エリアでドラッグストア(DgS)やディスカウントストア(DS)など価格訴求業態の小売業が勢いづいている。一方、その煽りを受けて食品スーパー(SM)の出店数は足踏み。好立地をDSとDgSに抑えられ、採算の見込める出店適地が減少していることも痛手となっている。また大型商業施設の数も頭打ちになりつつある。

DgS・DSでは、コスモス薬品が今上期(5月期)だけで九州で20店舗を出店。熊本県内に22店舗を展開するDSのロッキーは4月に菊池店を、7月には玉名店をそれぞれ出店する。熊本県ではコスモス薬品やダイレックスなどが出店攻勢を強めているため、ドミナント化を武器に徹底抗戦する模様だ。

郊外型総合販売店を展開するトライアルホールディングスの今期(3月期)の出店は、小型店4店を含め12~13店となる見通し。2月中旬現在で12店を開設しており、3月予定の四日市南店が年度内にオープンできれば13店となる。

今期開店の大型店8店は、宇部中央(山口県)、鞍手、大刀洗、名取(宮城県)、彦根(滋賀県)、石下(茨城県)、那珂川、出雲白枝(島根県)で、九州が5割を占める。小型店「トライウェル」4店は全て居抜き。来期はこれまでに九州の5店が決まっている。全国展開を進めるのと並行し、足元の九州でドミナント化を強化する方針だ。

一方、SMでは、サンリブは老朽店舗の建て替えとスクラップ&ビルドで対応。昨年の新規出店は、きふね店1店に留め、建て替えと居抜きを含め5店舗を開設した。今年は夏までに西門司店(北九州市門司区)を建て替えオープンする。マックスバリュ九州は、上期中に熊本市下通りとイオンタウン長与(長崎県)への出店が決まっているが、下通り店は新業態にする。

リテールパートナーズ傘下に入るマルキョウは、8年連続で見送る公算が大きい。同じくリテール傘下のマルミヤストアも、買収した新鮮マーケットの改装を優先するため出店を見送るものとみられる。イズミの「ゆめマート」は大店立地法に基づく出店届出がなく、今年前半の出店はゼロの見通し。西鉄ストアは昨年スーパー大栄の撤退跡に2店舗を出店したが、具体的に決まった出店予定はない。

同系列SM間での集約化・組織強化の動きも強まっている。ハローデイは8日、グループ子会社の熊本ハローデイの合併を発表。ハローデイは昨年10月にも同じく子会社のボンラパスとも経営統合したため、これで子会社SMはなくなることになる。ただし同社は7月に本城店(北九州市八幡西区)を開設し、秋には徳力店(同小倉南区)を建て替え、そのほかにも出店を計画している。西日本鉄道は4月1日にストア事業を営む100%子会社である西鉄ストアとあんくるふじやの合併を予定している。