キリンビール「47都道府県の一番搾り」 本体ブランド売上にも貢献

来年からブラッシュアップ

キリンビールは今年発売した「47都道府県の一番搾り」をブラッシュアップし来年4月から8月にかけて順次地域ごとに発売。併せて地元を離れている消費者向けに「同地域詰め合わせセット」を全国で展開する。9工場所在地以外の商品名を「一番搾り○○に乾杯」に変更する。17日に会見を開いた布施孝之社長=写真=が明らかにした。

同社は消耗戦からの脱却を目指し昨年に9工場の「一番搾り」を発売し好評を博した。その後都道府県ごとに地元の消費者と醸造長らがワークショップを開催するなどして共創し同シリーズを開発した。

地域差はあるものの6月、8月に発売した地域の同社調査では平均約6割の高い認知率を誇り、また6人に1人が飲用したという。ビール離れが著しい20代でも認知率、飲用経験率が上昇している。SNSでのツイート数も約6倍となり、「一番搾りブランド」全体でも5ヵ月連続でプラスになるなどし、1~10月累計で2.5%増と売上にも貢献、年間合計でも前年を上回る見通しだ。120万箱(大びん換算)とした年初の計画も2度上方修正し約2倍の260万箱となった。コストも当初の想定ほどではないという。百貨店限定の詰め合わせセット投入で「一番搾りブランド」缶が中元ギフトで前年同期比2割増。飲食店向けのびんは目標の4万店を超えて5万店に達した。お客様相談室への問い合わせも約3千件となり反響も大きい。飲食店も取り扱いの希望が多いという。

布施社長は「お客様の喜びが我々の喜び、が社内に浸透してきた」と語る。「地域への貢献」というCVS的な発想も掲げ、熊本震災時には同シリーズ1本につき1円を寄付。「同熊本づくり」は全国展開して1本10円を寄付した。

これからは“モノ”だけでなく“コト”を創りたいとし、地元らしい楽しみ方を消費者と考える共創ワークショップを実施する予定だ。現行の味覚を継承するのが基本だが、ワークショップ次第では一部エリアでブラッシュアップが検討される。発売日は地域のニーズ(ビール最盛期、地元の人が集まる時期等)を考慮した。「詰め合わせセット」は「甲信越・東海・北部九州セット」など5種類とし、各都道府県のアンテナショップやネット通販等での発売を検討している。

布施社長は「短期的にはシェアを取りに行くが、このような取り組みを行わないとビールの魅力が減じ、社員も疲弊する」と述べるなど、中長期的に取り組むことでビール市場そのものも拡大したいとした。同シリーズ17年販売計画は今年目標の約2割増となる320万箱。