森乳、機能性に舵 大型投資で新製品投入へ 今後の市場拡大に弾み

森永乳業は利根工場(茨城県常総市)と神戸工場(兵庫県神戸市)にまったく新しい機能性ヨーグルト(ドリンク、個食タイプ)の生産ライン各2ライン、2工場合計で4ラインを新設し、それぞれ年間約2万8千klを生産する(一部既報)。同社はこれまで機能性ヨーグルト分野で遅れを取っていたが、今回の投資で機能性に大きく舵を切る。

別表は大手3社の前期乳製品主要部門別売上高。「明治との差はヨーグルトの差」(森永乳業関係者)という通り、ヨーグルトを除く主要部門(牛乳類、チーズ類)の合計売上高は、雪印メグミルク1千548億円、明治1千437億円、森永乳業1千220億円と拮抗。現状、ヨーグルト売上高の差が3社の差となって現れている形だ。

森永乳業は今回、利根工場に約217億円、神戸工場に約65億円を投じる。利根工場は現在、ツインカップをはじめとするチルドデザートの主力工場だが、今回の投資により、東日本エリアでの機能性ヨーグルトの生産拠点という位置付けに変わる。新棟は17年12月に着工し19年6月、神戸工場は18年4月に稼働を開始を目指す。

同社の2015年度ヨーグルト売上高は502億円(宅配除く)だが、機能性ヨーグルトの新製品に加え、既存の機能性ヨーグルトや「濃密ギリシャヨーグルトパルテノ」などを拡売することで、2020年度にはヨーグルト売上高を760億円にまで引き上げ、先行する明治を追撃する考え。

ヨーグルト業界ではここ数年、大型投資が相次いでいる。2020年にヨーグルト売上高2千億円を目指す明治は14年10月、200億円を投じ移転新築した愛知工場(愛知県稲沢市)を稼働。同工場は「明治プロビオヨーグルト」シリーズなど高付加価値商品の生産を中心とした中部エリアの基幹工場。現在、カップヨーグルト(2ライン)、「明治ブルガリアヨーグルト」(2ライン)、マルチドリンクヨーグルト(1ライン)、「明治プロビオヨーグルトR-1」をはじめとする小型PET(4ライン)というライン構成。同社の躍進を支える原動力となっている。

雪印メグミルクは今年8月、海老名工場(神奈川県海老名市)に小型ボトルタイプドリンクヨーグルトの生産ラインを1ライン追加した。投資額は約13億5千万円。これにより1日当たりの生産能力は従来の2倍に拡大した。好調に数位する機能性ヨーグルト「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト ドリンクタイプ」の供給能力を引き上げる狙い。

国内ヨーグルト4番手のダノンジャパンも現在、140億円を投じ館林工場(群馬県館林市)への3ライン増設、物流センター建設を進めている。3ラインの増設にによりヨーグルトの生産能力を従来の約1・5倍に引き上げる計画。同社はさらに、22年を目途に現工場隣接地に新工場(6ライン)を建設し、生産能力を現在の2倍にまで拡大する計画を発表済みだ。

ヨーグルト市場は健康志向の追い風を受け、機能性を中心に好調が続き、15年度の市場規模は3千800億円強(14年度は3千400億円強)にまで拡大している。下期の動向次第では今期中に4千億円を突破する見通しで、将来的には5千億円市場も睨む有望市場。牽引役の機能性ヨーグルトについては、大手のみならず中堅メーカーもエビデンスを蓄積していることから、画期的新商品を含め、今後も様々な動きが顕在化するものと見られる。