食品産業センター 原料原産地表示で異議

村上理事長「実際の対応は困難」

農水省・消費者庁はこのほど、「加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会」を開き、すべての加工食品を対象に原料原産地表示を導入するための表示案を示した。これに対し、食品業界を代表して一般財団法人食品産業センターは「消費者の誤解を招きかねない」と懸念を示した(一部既報)。表示案が出る前のインタビューで、食品産業センターの村上秀德理事長は原料原産地表示問題について「実際の対応は難しい」など、おおむね次のように語った。

加工食品の原料原産地表示は大きな問題だ。どういう結論になるかで食品産業に多大に影響し、政治的にも大きなテーマだ。私は常日頃から言っているが、消費者に情報提供することは非常に大事だということは十分わかっている。これには各企業も努力されている。だが原料原産地表示に応えることで過剰に規制され、競争力が下がればコストアップにつながり、特に中小業者の事業が妨げられるようでは困る。

つまり「規制」と「ニーズ」のバランスが重要なのだと思う。消費者の本来のニーズはどこにあるのかということと、それに対応したやり方はいろいろあるはずで、柔軟な対応が必要だろう。

(加工食品全品目が対象について)どうも全品目の義務化が独り歩きしていて、これが目的化している感じだ。消費者も食品によって原料原産地を知りたい度合いが違うはず。チョコレートのカカオの原産地が知りたいか、サトウキビや異性化糖の原産地を知りたいかといえば、そんなことはないと思う。やはり加工度が低く、製品で原料が見えるようなものの方が表示ニーズが強いはずだ。

ある人は「原料原産地を知りたいのは、消費者が安全性に不安があるからだ」と言うが、本来、原料原産地表示は安全性が対象の表示制度ではない。安全性を担保してなく、ここを勘違いされていることがある。

(表示の見通しについて)非常に厳しいと思う。パッケージの表示面積の問題もあり、本当にできるのかということだ。国産、輸入品にしても完全に対応するのは難しいし、「国産または輸入」とすると表示の意味がなくなってしまう。ならばコストをかけて何のために表示するのかということになる。農水省は企業からヒアリングして大くくりでどうか、「または」という可能性表示でどうか、中間原料の場合は加工地表示でどうか、砂糖は国内で精製加工しているので中間加工地は日本だから「輸入または国産」表示にしてはどうか、などいろいろな意見があるが、それでは消費者は何のことかわからない。

一部報道では来春にもルールができる見通しだとしているが、実際は難題が山積していることは間違いない。