菓子上半期 前年超で折り返し チョコ、ビス、グミが牽引

菓子市場1~6月は前年比1%程度の増加で前半戦を折り返した模様。昨年度が小売金額5千億円超でナンバーワンカテゴリーとなったチョコが、引き続き高い伸びを占めていることに加え、ビスケットやキャンディ、豆・珍味などが好調に推移する。一方で、昨年まで好調だった米菓が前年並みで落ち着き、スナックは前年割れ、ガムは一時期ほどの低落ではないが、引き続きマイナス傾向が続いている。シリアルに関しても、グラノーラの一時期の勢いが沈静化してきた。

チョコレートは、今年2月にNHKで取り上げられるなどハイカカオブームが続き、2ケタまではいかないにせよ右肩上がりをキープする。カカオポリフェノールの健康機能に評価が高まり、単価の高い200円以上の高額品が動いている。

例えば、明治「チョコレート効果」や森永製菓「カレ・ド・ショコラ」が代表製品であり、今秋も不二家がハイカカオに参入するなど話題も多く、名糖産業やフルタ製菓など大袋中心のメーカーもハイカカオや大人系に注力してきた。ただし価格改定した板チョコやナッツ系は今7月で一巡したものの、厳しい環境が続く。

好調要因が今一つはっきりしないのがビスケット。ここ2~3年のシリアル好調を背景に、欧米化した朝食需要が生じているとの観測もあり、高齢者など幅広い年代層に受け入れつつあるようだ。

とはいえ、市場に直接火を点けたのは、ヤマザキビスケット(YBC、旧ヤマザキナビスコが9月1日社名変更)とモンデリーズとのライセンス契約終了に伴う、旧ナビスコ製品の需要の高まりが挙げられる。リッツ・オレオ・プレミアムがマスコミ公表後に一時的な買い込み増加が発生し、2ケタ伸長で推移した。9月以降、モンデリーズがブランドを継承するが、外国産になっても吸い込み良好なのは、やはり旧ナビスコが半世紀近くの歳月をかけてブランド定着に成功した賜であろう。

一方の、無名の「ルヴァン」を担いでゼロからスタートするYBCは多難な船出となるが、それでも今後ルヴァンカップ開催やTVCM等で徐々に知名度が広がるものとみられる。来年末には本格競合商品の投入が可能となるため、今年はいわば前哨戦に位置づけられよう。

卸各社からはYBCを応援したいという声が聞こえてくる。キャンディはハード系が苦戦する中、グミが全体を牽引する。明治・ポイフルやコーラアップ、カンロ・ピュレグミ、春日井製菓・つぶグミなどが露出を高めている。

豆・珍味も家飲み増加からか今年に入って好調を維持する。今秋は一時期高騰していたアーモンド関係が沈静化し、値戻しする動きが見られる。

スナックでは8月下旬からカルビーが成型ポテトチップスを北海道で先行販売がスタートしたところ、順調な滑り出しを見せた様子。2度目の失敗が許されない中で、着実に市場奪取へ動く。その意味では、チップスターを抱えるヤマザキビスケットにとってダブルパンチとなり、試練の1年となりそう。

カルビー、湖池屋にとっても北海道の原料・工場が台風による大雨被害に遭い、市場への影響が懸念される。絶好調で躍進してきたシリアルは、カルビーのフルグラ増産以降は市場も落ち着き、2ケタ成長まではいかなくなってきた。供給量が需要量に追いつき、2年ほど続いた欠品状態は解消されたようだ。

米菓はGW頃まで好調にきたが、以降は停滞。大手各社はそれなりに数字を確保するが、ここにきて中堅メーカーの経営行き詰まりが聞こえてきた。いずれにせよ市場全体的には、大黒柱のチョコレートが揺るがない限り、安定さを見込むことができる。課題としては、規格変更の波がチョコからそれほど周辺カテゴリーに波及しなかったことがある。

ここにきて為替の円高基調やインバウンドの安定化など、昨年とは違う環境変化が見られ、ますます適正利潤の確保はメーカー・卸にとって重要なテーマとなっている。