若年層取り込みへ 新機軸商品・施策続々16秋チルド麺市場

「ユーザーの高齢化が進んでいる。チルド麺売場がなくなるということはないだろうが、若年層を取り込まなければカテゴリーの将来はない。業界を挙げて取り組むべき」(業界関係者)。世の簡便志向も背景に、冷凍麺など競合カテゴリーの侵食を受けるなか、今秋のチルド麺市場では、大手を中心に若年層、新規ユーザーの獲得に向けた取り組みが加速してきた。

今上期(4〜7月)の家庭用チルド麺市場は前年微減。「前年比95%をベースに考えなければならなかった」という数年前の状況からは改善しつつあるものの、依然として漸減傾向に歯止めがかかっていない。

カテゴリー別の概況もラーメンが唯一、前同を1〜2ポイント上回ったほかは、冷し中華、焼そば、和物とも1〜2ポイントの前年割れ。業界にとって最大の衝撃となったのは、猛暑、酷暑という環境下での冷し中華の不振だ。

「例年と比べ台風が少なかった。台風一過による気温のメリハリがなく、暑い日が続いたことで消費者が暑さに慣れた」といった天候要因に加え、「いままで事業をやってきてこういう傾向はほとんど見られなかった。(需要が)簡単な方向に向かっているのが要因の一つに思える」というように、簡便志向の影響を示唆する。

こうした状況下、東洋水産は9月1日、簡便志向や時短ニーズに対応したレンジ調理の焼そば「レンジでもおいしくできる焼そば 2人前」(甘口ソース味、スパイシーソース味)を新発売した。

最大の特長は“野菜などと一緒にレンジで調理できる”という点で、具材の選択を含め、家庭で様々なアレンジが可能。簡便、時短ニーズとオリジナリティを両立させた。

シマダヤの「簡単生ラーメン」(醤油味、味噌味)は鍋ひとつで簡単に調理できる。同社の消費者調査で「麺とスープを別々に作ることが不満」という意見が3割程度あったことを受けたもの。茹でこぼし不要という簡便商品を投入することで不満点を解消した。

日清食品チルドは、若年層の購買ウェートが高い「まぜ麺の匠」(台湾まぜそば、油そば)でタレの別添キャンペーンを実施するとともに、女性、子供向けのアレンジレシピを提供。

また、「定番3品に季節限定商品1品を導入したことがよい刺激になり若年層にも支持された」という「日清の太麺焼そば」では、期間限定フレーバー「焦がしバター醤油」の発売、「ハロウィンスクラッチくじキャンペーン」などによりファミリー層へのアプローチを強化した。

チルド麺の主要購買層が50〜60代となるなか、いかにして若年層、新規ユーザーを取り込んでいくか。簡便性や機能性といったハード面に加え、すでに一部メーカーが取り組んでいるSNSを活用した情報発信など、若年層の関心を呼ぶソフト面の取り組みも今後の成長に向けたポイントとなりそうだ。