チルド麺の逆襲 「簡便」「健康」強化 大手が新製品続々投入

根強い健康志向や簡便ニーズの高まりなどを背景に、中高年層をメーンユーザーとするチルド麺で、大手が「簡便」「健康」商品への取り組みを活発化させている。チルド麺はこれまで、簡便性や即食性に勝る即席麺、冷凍麺、惣菜などの侵食を受けてきたが、「簡便」「健康」価値を備えた商品ラインアップを強化、逆襲に転じる構えだ。

東洋水産は9月1日から、「レンジで麺上手 食塩ゼロうどん 2食入」 (税別165円)を新発売する。電子レンジ調理により“茹で”工程を省くとともに、食塩不使用という健康軸を付加した。食塩を使用せず仕上げたにもかかわらず、レンジ調理ならではの、麺の中に含まれる水分で加熱することで、しっかりとした食感を実現したのが特徴だ。

1食タイプの「昔ながらの中華そば」シリーズには「だし香る和風醤油」(税別160円)を追加、こちらも9月1日から新発売する。ゆでこぼし不要、鍋一つで簡単に調理できるという簡便性に加え、1食当たりの塩分相当量は3・6g。従来品と比較し、塩分を25%抑えた減塩商品として提案する。

シマダヤは、今第1四半期の家庭用チルド麺売上高が前年比2ケタ増と伸張した。「カップ『流水麺』」を発売した「流水麺」シリーズが前年比112%となったことに加え、健康価値を追求した「本うどん」(食塩ゼロ、糖質オフ40%)も同163%」というように、「簡便」「健康」商品が業績を押し上げた。

こうした流れを受け、同社は今秋冬も「簡便」「健康」商品を強化する。「流水麺」ではカップ入り「ホット!『流水麺』」を9月12日から新発売する。保温性の高い縦型専用カップ容器に「流水麺」の麺と具材入り粉末スープをセット、お湯をかけるだけですぐに食べられる“チルドのカップ麺”。値ごろ感(税別230円)も武器に、新規ユーザーの取り込みを図る狙い。

健康系の新たな取り組みとなるのがそば。8月29日から「本そば 食塩ゼロ」を発売する。原材料に食塩を使用していない食塩ゼロのそば。そばの甘皮まで挽きこんだ風味豊かなそば粉を使用するとともに、食感の違いが楽しめる乱切り形状とすることで、健康価値に加え、そばとしてのおいしさも訴求した。

今第1四半期の家庭用チルド麺市場は「金額ベースで伸びているカテゴリーはホットの生ラーメンだけ。冷し中華はこれだけ暑いにも関わらす全国、関東とも90%台半ば。いままで事業をやってきてこういう傾向はほとんど見られなかった。『流水麺』の冷し中華は比較的いい傾向にあるので、(需要が)簡単な方向に向かっているのが要因の一つに思える」(木下紀夫シマダヤ社長)という異常事態。「作らない化」が「作りたくない化」にエスカレートするなか、鮮度感という優位性に加え、“値ごろ”を抑えた「簡便」「健康」商品を投入することで、ユーザー層の拡大を目指す。